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出逢い
-
学校への道。
周りには夏の匂いがしていた。
夏樹
「今日は13時までだった筈…
終わったら少し寄り道して帰ろう」
────────
夏樹
「おはようございます」
クラスメート
「逢坂君おはよ〜」
夏樹
「雪村先輩今何処に居るかわかりますか?」
クラスメート
「雪村先輩なら部室だよ〜」
夏樹
「ありがとうございます」
────────
夏樹
「失礼します。雪村先輩居ますか?」
??
「?あぁなんや、夏樹やないの
どないしたん?」
夏樹
「雪村先輩に教えて欲しい所があって探してたんです」
雪村
「俺に?えぇで
ほんで、どこなん?」
夏樹
「此処です」
僕はずっと悩んでいた箇所を指さす。
雪村
「此処な?
ほなら、ちょっと吹いてもろうてもえぇ?」
夏樹
「はい」
〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜
雪村
「あぁ…なるほどな
夏樹が悩んどるんはようわかったわ
其処の部分やったら…こう」
そう言って雪村先輩は演奏してくれる。
雪村千尋(ユキムラチヒロ)先輩。
僕より2つ年上の18歳。
吹奏楽部では部長をしていた。
僕がフルートを始めたのも、
初めてみた時に雪村先輩が演奏していて
凄く綺麗だったからだ。
雪村
「…と、まぁこないなもんやない?」
夏樹
「っ…やっぱり雪村先輩凄いです」
雪村
「なんや?
褒めてもなんもで〜へんで?」
夏樹
「素直にそう思っただけです
でも、先輩のお陰で何とかなりそうです
ありがとうございました*_ _)」
雪村
「ん〜…まぁ、あんま無理せん程度に
気張りや〜」
夏樹
「はいっ」
────────
部室を後にした僕は一人屋上に上がった。
この時期は僕しか居ない。
僕だけの特等席だ。
夏樹
「ふぅ…」
僕は疲れを癒す様にその場に座り込んだ。
暖かい陽射し、涼しい風
僕は微睡んでいた。
夏樹
「………すぅ」
だから僕は気付かなかったんだ。
其処で静かに僕を見つめる人に───
??
「…き」
何処からか声が聞こえる。
何を言ってるんだろう?
??
「……なつき」
なつき?
僕を呼んでるの?
??
「なつき」
今度ははっきりとすぐ傍で声が聞こえた。
夏樹
「っっ」
驚いてさっき迄の眠気が吹き飛んだ。
夏樹
「だっ誰っ」
僕は自分を呼んだ人を見上げる。
燃える様な綺麗な真紅の瞳に、
純白の白い髪。
凄く幻想的で儚げな少年が
僕を見下ろしていた。
??
「なつき…あいたかった」
彼はそう言うと儚げに微笑み、
僕に抱き着いた。
当の僕はと言うと状況が把握出来ないでいた。
まず、
僕に抱き着いてるこの子は誰だろう?
彼は僕を知ってるみたいだけど、
僕は彼を知らなかった。
夏樹
「ね、ねぇ…」
??
「なぁに?」
思い切って僕は尋ねる事にした。
夏樹
「君は誰…?君はどうして僕を知ってるの?」
彼は少しだけ悲しげに目を伏せた後、
もう1度僕の目を見て話し始めた。
??
「ぼくの名前は…真白紅雪(マシロアキ)
夏樹を知ってるのは…夏樹がぼくの大切な人、だから」
真白紅雪と名乗った少年を見詰める。
彼は僕を“大切な人”と言った。
それはどう言う意味なのだろう?
夏樹
「真白…君は、今何歳なの?」
真白
「紅雪でいいよ?…ぼく?17歳だよ」
夏樹
「紅雪?…17って…僕より年上だよね?
紅雪のお家は?」
紅雪
「家は…ないよ」
夏樹
「え…?」
────────
紅雪はこれまであった事を話してくれた。
今は家もなく独りで生きてるって事。
家族は居ないってこと。
そんな話を聞いていた僕は、
どうしてだか放って置けなくて…
家に連れて行く事にした。
────────
夏樹
「ただいま〜
お母さん居る??」
母
「はぁ〜い?
おかえりなさい
あら、お友達?」
夏樹
「うん…
紅雪って言うんだ。
家族も家も無いんだって…
一緒に暮らしてもいい?」
母
「あらあらまあまあ…
大変ねぇ…
紅雪、ちゃん?
家で良ければ好きなだけ居なさいな
確か夏樹の隣の部屋空いてたでしょう?」
夏樹
「うん
ありがとう」
紅雪
「ありがとうございます(にこ」
僕は紅雪と共に二階に上がって、
部屋に案内した。
夏樹
「此処は好きに使っていいよ」
紅雪
「ありがとう(にこ」
夏樹
「でも、
当分は布団は無いから僕と一緒に寝る事になるけど
大丈夫??」
紅雪
「うん(にこ」
────────────
こうして僕と不思議な少年の暮らしが始まった。
まだ僕は知らなかった。
彼の“秘密”を─────
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