アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
外れた仮面
-
「なんでしめてんだよ...」
扉の鍵を閉めた張本人に問えば
俺をチラッとみて
「遊びにはもってこいの場所だし、逃げられても困るからね」
遊び?逃げる?
こいつなんか変なもん食べたのか?
「お前何言って...」
泉は、無言のまま俺に近づいてしゃがみこむ。
黒い目がしばらく俺をじーっと見つめらる。
少し色素の薄い茶色の髪がさらっと動いたかと思えば
「5年間くらい一緒だったけど...初めて菅井の目みた...茶色で綺麗な目だね」
「...ばかにしてんの?」
俺は睨みつけるように泉をみる。
泉は、まっさかーなんて言いながら
「まあそれは置いといて...本題としては...」
まさか俺ここに閉じ込められるんだろうか...
はやく鍵でも奪って逃げねえと...
「菅井は彼女とかいないの?」
「...しってどうすんだよ」
確か泉はポケットに鍵いれてたな...
一瞬の隙でもいいから...
「いやー、実はさ、菅井のこと気になってて」
俺はその言葉をきいて動きが止まってしまった。
ワンテンポ遅れて、
「はあ?」と声を漏らす。
「言葉の意味そのまんまだけど...」
「だから、意味わかんねえって」
しばらく考え込むように、うーんと唸る泉。
「じゃあ、こうすればわかるだろ?」
ニヤッと笑ったかと思えば、
泉の顔が近くなり、俺の唇に違和感を感じた。
数秒息が止まった気がする。
息は再開するものの俺の動きは何分くらいか止まっていたと思う。
「......おまっ、なにしてんだよ...!」
俺がその状況を理解すると、ゾワゾワと鳥肌が止まらなかった。
「...キスだけど?」
そう、泉にキスをされた。
男が男にキスってありえるのか?
俺は、その事実が信じられなくてなんとか立ち上がり泉をすり抜けて扉まで走っていく。
「くそっ...」
わかってはいたが扉は開くわけがなく、力ずくで開けるにももちろん開きはしない。
振り向くことさえ怖かった。
「...もうちょっといい反応するかと思ったけど...」
じりじりと泉が近づいてくる気配がする。
こいつを殴ればなんとかなるだろうか...
でも喧嘩は好きじゃないし...
むしろできない方だ...
絶対ふりむかねえ...と思っているところ
俺の真横に泉の手が壁に置かれ、俺は逃げられなくなる。
泉の気配はすぐそこにあり
俺の耳元で
「こういち…俺に刃向かうの?
…縛ろっか?」
と囁いてきた。
ついに、爽やか王子の仮面は外れたようだ___
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 164