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プロローグ
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色白の肌に指を這わせ
薄く桃色に色付いた頬に触れ
柔らかな唇に口付けた。
いつもなら瞳に涙を浮かべて俺を睨み付けて来るはずなのに、その日の先輩は、俺を拒まなかった。
「いいよ、凜太郎。」
こういう時だけ名前で呼んでくるの、ズルイ。
悪戯に笑みを浮かべ、いつもとは違う余裕の表情で両手を広げる先輩に心底腹が立つ。
「俺はアンタのことを抱きたい訳じゃなくて…」
「抱きたい訳じゃなくって?」
いや、抱きたいけども。
昨日までの、やめて、もう触らんで!って駄々を捏ねていた姿はどこに行ったんだよ。
何も言わずただ黙って先輩を睨みつけていると
こちらの心の中でも読んだというのか、形の整った唇の端がゆっくりと持ち上がった。
「言わんよ。絶対言ってやらん」
「何をっすか。」
ああ、その隠しようのない得意げな顔。目が笑ってるし。
ソファーに深く体重を預けこちらを見上げる先輩の瞳は勝利の色一色だった。
俺は、こちらを馬鹿にしたような目で見つめる小賢しくて仕方がない先輩に、彼の声で“好きだ”と言わせたいのだ。
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