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その男、危険な香り
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* * *
甘く、柔らかな世界。
目前に迫るは息を呑む程に美しく、秀麗な顔立ちの男。
切れ長で涼し気な目元はほんのりと赤く染まっており、香る熱情に背筋が痺れた。
形が良く薄い唇は官能的で、思わず吸い付きたくなると逢沢はうっとり見つめる。
すると、優しくてどこか拘束力を持つ甘く低い声が名を呼んだ。
伸びてきた手が頬を包み、確かめる様に顎のラインを滑り落ちては、再び耳元まで戻ってくる。
その間、熱を孕んだ瞳は真っ直ぐとこちらを見つめており、逢沢は堪らず目を逸らした。
「──逢沢」
だが、まるで逃げることなど許さぬと言うかの様に、こちらを見ろと意を含んだ声が耳元で名を囁く。
途端に力強く顎を掬われ腰を抱かれ、堪え様もなく身体中が歓喜に震え粟立った。
──嗚呼、なんて幸せなんだろうか。すべてを……、自分の持つ全てを彼に明け渡し、支配されてしまいたい。
逢沢の胸が高鳴る。
抱き締められた腕の強さに酔いしれ、悦びのあまり上手く言葉にはならなかった。
けれど、交わる瞳だけで十分に想いは伝わっているのだろう。
逞しい腕に引き寄せられ、逢沢は震える瞼 をゆっくりと閉ざした。
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