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その男、危険な香り09
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パソコンの液晶と睨み合っていると、ふと廊下の奥が騒がしい事に気づいた。
それは喧騒と言うよりはざわりと小声で色めき立つもので、そんな現象が起こるのは決まってある人物が絡んでいる。
随分と小さくなったがまだ口の中に残っている飴玉をカラッと右の頬から左へと転がしながらデスク越しの廊下を見た。
するとそこには予想通り、彼がたっていた──結城冬吾が爽やかながら、どこか甘い笑顔を浮かべて。
久方ぶりに見る彼の姿に、逢沢の血が沸き上がる。ドキドキと高鳴りだす胸の鼓動を感じ、焼き付くようにその姿を目にうつした。
自然なブラウン色の髪は今日も優雅に前髪がかき上げられセットされている。
遠目から見ても目立つ程、手足が長く小さな顔はモデルの様なプロポーションだ。スラリとしているスーツ姿の下はしっかりと筋肉がついており惚れ惚れする様な体を隠していることを逢沢は知っていた。
前に一度、近くの銭湯に行った時穴が開くほど見ておいたのだ。こんなチャンス二度とないと目に焼き付け、勿論家に帰るなりそれをオカズに散々妄想にふけた。
それから顔の造りだって思わず神様を恨みたくなるほど極上である。 端正で尚且つ華やかな彼の顔は思わずうっとりと見惚れてしまう。
綺麗な二重のラインに切れ長で意思の強そうな瞳。鼻筋が通った高い鼻と、薄く形の良い唇。
いつなんどきでも切れ長の瞳は涼し気で、笑うと微かに目じりが和らぐのがなんとも愛おしい。
初めて結城の笑顔を見た時、整い過ぎているから故に感じる冷たさとのギャップにまんまとやられた。
一瞬で恋に落ちたのだ。
これ程までに美麗な男を逢沢は初めて見た。
しかし、かと言って見た目だけで惚れたわけではない。表面上ばかりでなく、彼は中身も文句のつけ所がないほど魅力的な男であった。
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