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その男、危険な香り11
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我がもの顔で結城の隣を勝ちどった彼女の誘いに少しも靡くことなく、結城がキラキラと宝石が散りばめられた様な笑みを浮かべている。
あの鉄壁でガードされているとも言える女性の輪から難なく抜け出すと、自然な動きで男性社員の中へと混ざっていった。
何でもスマートにこなすのが結城だが、今みたいに慣れた様子を見ると女性経験もきっと豊富なのだろう。
下手に騒ぐ事もおだてる事もせずに、女性の矜持を傷つけずに断るのだ。流石にそんな結城を見てると、高望みな想いは自然と消え去る。
結城を落とすのはきっと、魔女なのではないかと逢沢は想像し小さく笑いを零した。
この三年間、時間はうんとあったが色恋の話を直接結城から聞いたことはない。
初めから答えが分かっている諦めた恋だとしても、自ら針山に頭からダイブする様な自殺行為はしたくないものだ。
聞けば必ず傷つくし、嫌でもどうにもならない現実を嘆いてしまう。
だから、タイミングはあっても聞いたことはなかったのにそんな逢沢にも無情に周りが囁く噂は嫌でも耳に入るもの。
不本意だとしても色々と聞こえてしまう。
そんなありがた迷惑な噂によると結城は現在フリーだそうで。
もう時期30になるということでそろそろ結婚も考えるのではと、推察し以前にも増して女性陣の水面下での闘いは激しさを増していた。
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