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とあるオフィス〔販売部門〕の危機的状況③六丁目~オリジナル
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代田さん
代田さん
六丁目の件でお電話です
わ。
また六丁目だ。
店内符丁。
店長の呼び出し。
(ちなみに刃物持ったやつの登場は、
斎藤主任、斎藤主任、お手近の電話をお取りください!
けど代田、今日見かけてないぜ。
三島に聞いたら社内には居るってさ。
しゃーない、俺がいくか。
店長。
代田ちょっと手放せないみたいで、あ。
自席に座らせた代田の背後から、店長中腰で、包み込むような形で立っていた…
二人が同時に俺をみた。
俺は見てはならないものを見たような気分になって、
あ、もう来てたん
だけ言って、扉を閉めた。
手にじっとり汗をかいていた。
必要以上に代田を手荒く扱ってしまい、肩口には噛み跡まで残した。
キスマークではない。
歯型の残るほどの、がっつりの。
結城は鏡でしげしげ見ていたが、何もいわず、シャツを着込んだ。
何か言えよ。
困るなり、なんなり。
迷惑がってくれたほうがましだ。
おまえはいったい…
ホテルを時差で出た。
ちょっと早いが出社しよう。
大通りを歩いていると、
早いね
と追いついてきたのは店長だった。
お、おはようございますっ
声が少し裏返る。
別にやましいことが・・・ある?
スキャンダルも、禁忌だっけか?
お早いんですね。
てか店長、バスですよね?
太ってきちゃったからさー。
バス停二つ分歩いてるのよ。
二つ前って…
レジデンシャル前。
ローヤルスイートホテルのトイメン。
言うだけ言って、店長は、
お先
と、俺を置いて先行していった。
再び並ぶ気にはなれなかった。
俺たちのことを知っている~らしい~人間が、上司。
絶望と、軽い自嘲が俺を笑ませる。
ひょっとして、これ、斎藤主任案件かァ?
代田に何て言おう。
そう思った瞬間、つと声が出てしまった。
俺は路上でひどく笑ってる自分に気づいた。
笑いはいつまでも止まらなかった。
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