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探る。
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キモ川はそんまま、首からカメラぶら下げたそいつとどっか行ってしまった。
そもそもキモくて根暗なキモ川とどういう接点があんだ。全然タイプちげぇし、もしかして二重パシリされてんじゃね?
まぁどうなろうと俺の知ったことじゃないけどな。
いちごオレのパックを片手で潰したら、中身がブシュッって飛び出た。しまった。まだ全部飲んでなかったっけか。
ピンク色の液体に汚された手。その手から滴り落ちた雫が、分厚いハイカットのスニーカーにぴちゃんと音をさせて落ちた。
「……くそ。」
べたべたする。
気持ちワリ。手も、なんかよくわかんねぇこの感情も。
廊下にいた仲のいい後輩の服で手を拭ったら、「上谷先輩!?何すんスか!!」とかギャイギャイ喚くから、「うるせぇ」って言ってそいつのケツを2回ほど蹴り上げた。
「聡太ぁ!あんまり後輩いじめんなよー」
「るっせぇ!!いちごオレでべたべたなんだよ!!」
「…いちごオレ?えっ、いちごオレついた手を俺の服で拭いたんスか!?えっ!?」
あーうざい。
なーんでこんな気分になってんのかな俺。まぁでも抵抗できない後輩に八つ当たりするの楽しいしいいか。
チャイムが鳴って授業が始まると、キモ川が教室に帰ってきた。
眼鏡しててもしてなくてもあの地味でキモチワルイもやし野郎は変わらずキモい。
「……キモ川」
「わっ!?…あ、えと、」
俺が呼んだらうろたえる姿
とか、
「なん、で、しょうか……」
赤くなる顔とか、
もっと俺に向ければいいのに。
「…あの、上谷く「キモい」えぇっ!?」
「つーかさっき階段でコケてたろ。足くじいたんじゃねぇの」
「えっ、あ、見てたの…?恥ずかし……」
また赤くなる。
……くそッ。
「やめろ恥ずかしがるな」
「えっ、えぇぇ!?」
「足は痛いのか痛くねぇのかどっちだコラ」
「……ちょっと、痛い……かも」
「はぁ。バカじゃねお前。」
「うぅ〜…」
「行くぞオラ。さっさと立て。」
「え?どこに行くの…?」
「あぁ!?保健室に決まってんだろ頭沸いてんのか」
「ほっ、ほけ!!?いいよ僕自分1人で行けるから…っ、」
「いいから行くっつってんだろ殺すぞハゲ」
「はっ、はいぃ……!!」
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