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褒める。
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「撮るよ。」
「う、ん」
部屋に着くと、星くんは僕を椅子に降ろして、重そうなカメラを手に取る。
写真を撮ってる時の星くんはずっと無言で、集中してるっていうかなんていうか⋯話しかけづらい。
「下川ってさ、」
「えっ、はい」
あれ?珍しいな。星くんが撮影中に喋ってる。
「よく見ると綺麗な顔してるんだよ」
「⋯⋯は、い?」
「綺麗っていうか、可愛いんだよ。よく見ないと気づかないんだけど、肌白いし目大きいし。」
「あっ、の、なんで、急にそんな⋯っ、」
「みんな気付かないのは前髪が長くて顔見えないからだと思う。」
ひぃぃ⋯!!なに、なんだろこの異質な状況⋯!撮られながら褒められるなんて恥ずかし過ぎる⋯!!
「⋯⋯何赤くなってんの」
「だっ、だって、僕いつもキモいとかウザイとか言われてて⋯初めてこんな風に褒められて、恥ずかしい⋯」
「キモい?どこが?」
「ぜっ⋯全部じゃないですかね⋯」
「なにそれ。おかしいだろそいつ。」
「僕⋯⋯いっつもうじうじしてるし、暗いし弱いし細いし、全部わかってるのに直せないとこ、自分でもヤだなって⋯思うし、」
だから、
「キモいって言われるのは、当然だって⋯⋯思って、る。」
きっと、
上谷くんは、僕のこと嫌いなんだろうな。
さっきのだって嫌がらせだったかも。
「お前、自信なさ過ぎだろ。」
「うん⋯えへへ」
「キモくねぇよ。可愛いよ。」
「ッ!!!!」
真顔でそんなこと言わないで⋯!!
「俺は下川のこと初めて見た時、な〜んかいい感じだな〜と思ったからモデルに呼んだ。」
「いい感じ⋯?ですか」
「そうだ。いい感じだ。」
「ふふ⋯」
「明日もまた来れる?ここに。放課後。」
「えっ」
「撮らせて。」
「わ、わかった!」
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