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「お前好きなやついんの?」
⋯⋯。
「⋯⋯へ!!!?」
「話題作り。」
な、なななな何それ!!びっくりした!タイミング良すぎだよ星くん⋯
「彼女は?」
「いるわけないよ⋯女子とも喋らないし」
「へー。こんなに可愛いのになぁ」
「嬉しくない⋯」
友達同士の会話ってあんまり馴染みがないから、どうやって返事すればいいのか。ちょっと、困る。
「⋯⋯い、る」
「え?」
「好きな人⋯いるけど⋯嫌われてるよ。僕。」
「⋯ふーん。」
いつもの撮影部屋に着いて、真ん中にあるベッドに降ろしてくれた。
「わざわざ用意したの?コレ。」
「そう。髪の毛濡らして。そこにお湯があるから」
「えっ」
髪の毛!?濡らす!?
「今日はそういう撮影。」
「そ、そっか⋯わかった」
いきなり言うよなぁ星くんって⋯
「明日、やっぱり放課後じゃなくて朝来て。」
「えっ、わ、わかった」
両手をお椀にして、お湯をちょっとずつ頭にかけてく。その一部始終を星くんが撮ってる。変な気分。
「うん。やっぱり眼鏡ないほうがいい。明日からコンタクトにすれば」
「いきなりは無茶だよ星くん⋯お金かかるし」
「へぇ。」
へぇって何⋯
結局、夕方の5時までパシャパシャ撮られた。何が面白いんだろう⋯
明日も朝からあんな調子で、急に無茶振りさせられるんだろうなぁ。はぁ。
翌日、お弁当を自分で作って早めに家を出た。
朝はまだ少し肌寒くて、カーディガン着てきて正解だなって思った。
いつもと違って通学路には誰もいないし、校門もほんの少ししか開いてなくて、早くに来るだけでこんなに違うのか、と、少し関心。
下駄箱で靴を履き替えて、電気のついてない廊下をパタパタ音を立てて歩いた。
「おい」
「ヒッ!?」
訂正!誰かいた!誰!?
「キモ川、お前なんでこんな朝早くに来てんだよ」
えっ、あ、
「かっ、上谷く⋯っ、えと」
こっちのセリフだけど!こんな、朝早くに会えるのは嬉しすぎる。
背後からの登場は心臓に悪すぎるけど。
「あ?」
「用事が、ある⋯の。友達と。」
「へーぇ。お前に友達なんていたんだな。」
ガーン!!
「はーっ、にしてもさみぃな。つーか何お前そのカッコ。」
「へっ、」
「暖かそうじゃねぇかボケ」
「ひっ!ごめんなさ⋯っ、」
「ちょっとこっち来いや」
ひぃぃ⋯!はっ、剥ぎ取られるのか⋯!?このカーディガン取られたら寒すぎて動けなくなっちゃう⋯
「カバン下ろせ」
「はっ、はい⋯」
上谷くんが僕の後ろに回るもんだから、てっきり脱がされるのかと思ったんだけど、
「動くなよ⋯」
後ろから、抱きしめるようにして身体と身体をくっつける。こんな状況驚かないはずなくて、口から心臓が飛び出るんじゃないかってくらい緊張して、
「あっ、の、上谷く⋯ッ」
「動くなっつってんだろがハゲ⋯こっちは慣れねぇ早起きしてねみぃんだよ⋯」
ねっ、寝ぼけてるのか⋯!!そうか!!よかった⋯
いやよかったって何!?
「はー⋯だる⋯ボケが⋯」
上谷くんが何に対して怒ってるのかわかんないけど正直この体制やばいですすごくやばいです。手汗とかそういうレベルじゃない緊張です。心臓の音聞かれたらどうしよう⋯うぅ~~っ。
「か⋯っ、上谷くんは、なんでこんな朝早くに⋯?」
「あー?⋯なんっか、一年女子に呼び出されてんだよ⋯つーかダルいし眠いし呼び出すくらいならお前が来いって話だけどな」
「へぇ⋯」
あーだめだ!距離が!近いよ上谷くん僕このままだと死んじゃうっ!!首に息かかるのほんとだめだって⋯!!
ていうかここ廊下だし誰かに見られたら⋯
「下川、おはよう」
そいきた!
「あっ!星くんっ、おはよう⋯」
そうだよね来るよね!朝に合う予定だったんだから当然だよね!
「今から撮りに行くけど。」
「あっ、うん!」
上谷くんに抱きしめられてるこの状況を目にしてなんのリアクションもない星くんはさすがです。さすが星くんです。
「あ゙?行かせねぇよお前がどっか行ったら俺が寒いだろが。」
「ひっ!⋯ぁ、あのっ、でも」
腕の力強すぎてミシミシ骨が軋む音が聞こえる気がする⋯うう⋯
「つーか、お前見たことあんな。誰?」
「星 ワタル。お前上谷だろ。俺のクラスでも有名人だよあんた。」
「は?初対面で呼び捨てしてんじゃねぇ上谷さんと呼べ」
ひぃい⋯っ!!ぼっ、僕を挟んで空気悪くならないでやめて!
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