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使う。
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眼鏡も、カーディガンも鞄も、通常のサイズより大きく見えんのは多分アイツ自体が小さいせい。
袖から小さい手が指先だけ出ていて、髪なんかは、こう.....もしゃもしゃしている。
「おーいキモ川ぁ!!数学のノート見せろ」
「えっ、あ、うんっ」
「あーっと、やっぱ訂正。俺のノートに写しといて。」
「わっ、わかった...!」
" キモ川 "ってのは俺が考えたアダ名。こっちのが本名よりずっと覚えやすい。
(見たところ)友達もいない彼女もいない、人生を暇して過ごしてるモブに俺はちゃんと役割を与えてやってるんですわ。エラくね?
「キモ川ぁ、購買でシャー芯とルーズリーフ買って来い。2秒でな。」
「わ、わかった!」
「あと食堂で抹茶プリンもな。スプーン忘れたら死刑」
「う、うんっ」
仲のいいツレなんかは、この光景を気味悪がってた。が、なかなか便利。
頼むと意外と早く、汗だくになって帰ってくる。
そしてこの時、絶対と言っていいほどメガネがズレているのである。
「.........きも。」
「ええっ!?」
「体力ねーしプリンぐちょぐちょだしシャー芯は0.3ミリだしほんっっっっっとに使えねー。」
「......ごめ、」
俺のこのたった一言で落ち込んだり、悲しそうに目を伏せたり、コロコロ表情が替わるから面白い。
「あー......しっかしさみぃな。」
「え?う、うん。」
嘘つけ。お前走ってきたばっかで寒くねぇだろ。
「そだキモ川、お前のカーディガン貸せよ。膝掛けくらいにはなんだろ」
「...わ、わかった!」
わー..." 僕に出来ることなら何でも! "とか言ってきそうな勢いだな。
コッチはいじってるつもりなのにやけに気合入ってるのが腹立つ。
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