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休日の過ごし方
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予めセットしていたアラームが鳴り、俺は目を覚ました。俺を抱き枕かのようにして、俺の隣で寝ていたはずの三浦さんは既にいない。まだ、出社する時間の2時間も前だというのに、朝の早い人だ。
夜中は、一度寝苦しさを感じて目を覚ました。眠りにつく前よりも、三浦さんの腕がキツくしまっていたからだ。寝返りをうつにもうてず、三浦さんと向き合っている状態だったけど諦めて二度寝した。少しだけイラッとして、鼻を摘んでやろうとは思ったりもしたり。他人と同じ部屋で寝ると、深くは眠れず朝早くに起きてしまうタイプだけど、流石に何度もあると慣れたのか夢を見ないでぐっすり眠れたな。
いつもだったら、30分ぐらいベッドの上でスマホを見てるものの…。朝食を作っているのか、良い匂いがするから起きないとな。一緒に住むことになったとはいえ、のんびりは出来ない。
ベッドから降りて洗面所へと向かい、顔を洗って歯磨きをする。…何度も泊まっているから、三浦さんの歯ブラシの隣に俺の歯ブラシが置かれてるんだよな。元から同居してたかのように。服とかタオルとか石鹸とかは共有出来ても、流石に歯ブラシは無理だからと買ってくれた物。
まだ、朝は十分に冷えて布団の中に戻りたい気持ちを抑え、キッチンへと足を運ばせる。テーブルの上には既に、数種類のおかずが置かれていて、三浦さんは味噌汁をお椀に注いでいる。ただでさえもっと睡眠時間が欲しいのに、これ以上早くに起きないと駄目なのか。手伝うと言っても、キッチンから追い出されてソファに座らせられるのは予想がつく。だから、三浦さんが起きる前に起きて、朝食の準備やら洗濯物やらをしようと思うと、あとどれ位早く起きないと駄目なんだろう。
「おはよう。丁度よかった、これから起こしに行こうと思ってた。」
「おはようございます。何時に起きたんですか。」
「いつも、4時半ぐらいには起きてるな。」
この人よりも早く起きるのやめようかな。俺がいつも起きるのは6時半で、つまり2時間以上前に起きないと行けない。しかも、昨日寝た時間は日付を変わった頃ぐらい。三浦さんは4時間ぐらいしか寝てないという事になる。
「…睡眠時間足りてます?」
「爆睡してるから、結構寝覚めは良いけど?時々、夕飯食べた後とかで寝たりもするし。」
「もう少しぐらい、遅くに起きたらどうですか。」
「何か企んでるだろ。早く起きた方が、お前の寝顔を眺められるし、ちゃんとした朝食を作れるから良いんだよ。」
朝、アラームが鳴るとちゃんと起きるものの、朝が苦手だ。だから、俺の場合は前日におにぎりを作って、その日の朝電子レンジで温めて食べていた。インスタントの味噌汁も飲んだり。それで十分満足していたんだけど…。何品かは作り置きしていた物だと言うけれど、手の込んだ朝食であることに間違いはないし、バランスも良さそう。それに、チラッとベランダの方を見れば、もう既に洗濯物は干されている。話をしている間に、ご飯もよそっていて席に着かされる。
…何かを手伝わせる気は1mmたりともないらしい。母親とか、新婚の妻でさえここまで手の込んだ朝食は作らないだろう。この人は、本当に尽くしたい派の人らしい。
「美味いか?」
「どれも腹が立つくらい美味しいですよ。何か、致命的な物とかないんですか。」
「致命的な物なぁ。家事は粗方何でも出来るし、何ならスイーツも作れる。」
「じゃあ、虫が駄目とかは?」
「嫌いだけど、悲鳴を上げたりするほどではないな。この家には出た事ないけど、ゴキブリとかも殺せるし。」
これから一緒に暮らしていく上で、少しでも役に立てそうなことをと思ったけど、初っ端から折られた。このままだと、下手したら俺ニートになりそうな気がしてならない。確かに、憧れではあるけど落ち着かないだろうな。この人なら、そんな俺でも受け入れそう。
「天野はないのか?」
「家事が全く出来ないわけでもないし、虫は嫌いだけど退治出来るし…。ホラー系は駄目ですかね。」
「可愛いな。俺も、得意ではないけど。」
「想像しちゃったりするんですよ。」
「あー、わかる。夏のテレビ番組とかホラー番組ばかりだから、番組表をチェックしてからテレビを観てるな。」
「俺は、観たい番組の時間以外は朝しかテレビ観ないようにしてます。」
実家で暮らしていた時は、祖父がホラー番組が好きでよくつけていて、俺はイヤフォンを付けて音を遮っていたな。何で観たいのか理解ができなかった。
でも、三浦さんも苦手だというのは少し以外。俺が嫌いだと言っているのに、俺の反応を面白がるためにつけそうだから。好きではないかもしれないけれど、平然と未定そうなタイプだと思っていた。まぁ、でもこれで夏のテレビの心配はなくなった。
ご飯を食べ終えると、俺の分の食器も三浦さんが片付けてしまい、何かする事はないかと試しに聞いてみる。すると、案の定テレビでも観ていてと言われた。仕事に行く準備も出来ているので、時間帯的にも後は三浦さんが食器を片付け終えたら行くだけの状態。俺とゆっくり朝食を取りたいが為に、その他の家事は朝食を作る前に終わらせたんだと堂々というものだから、こっちが恥ずかしくなった。
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