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休日の過ごし方(7)
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「なぁ、皐月は俺が挿れる側だから俺と付き合いたくないのか?」
「は?」
「俺がお前に挿れられる側になったら、俺と付き合ってくれるのか?」
「え、いや、急になんですか。好きにならないと付き合わないですよ。」
家に着いて、俺は夕食の準備を。皐月には先に風呂に入ってきて貰っていた。そして、風呂から出てきた皐月に聞いてみる。
「好きじゃなくても、お前はセックス出来る?」
「出来なくはないですけど、しませんよ?」
「じゃあ、お前は俺に勃つか?」
「…康介さん、本当にどうしたんですか。欲求不満なんだったら、一人でして下さいね。」
だって、セックスをしたら恋愛感情が生まれるかもしれない。俺の事を好きになってくれるかもしれないだろ。…あれ、何でこんなにも女々しい事思ってるんだ。俺らしくない。
「お前の傍に居たら、いつでも欲求不満になるだろ。で、答えはどっちなんだ。」
「その時にならないとわからないですよ。なんですか、遂に挿れる側を諦めたんですか。」
「いや、お前にだったら挿れられても良いなって思っただけだ。」
お前に愛されてみたいなんて。
「今日こそは、手伝いますよ。」
「駄目だ、座ってろ。」
「嫌ですよ。さやえんどう豆はスジを取ったら良いんですよね。」
「大人しくテレビ観とけって。」
「じゃあ、康介さんが観ていたらどうですか。」
「それは嫌だ。」
「我儘ですね。俺だって、何もかもやってもらうのは落ち着かないんです。」
何でだ。自分は何もしなくて良いんだから、喜ぶ事なんじゃないのか。
これ以上、俺が何を言っても聞かなさそうだから、仕方なく手伝ってもらう事にした。もし、包丁で指を切ってしまったらとか、火傷してしまったらと思って、本当は手伝ってほしくないんだけどな。手伝ってくれるのも、皐月が料理を作ってくれるのも嬉しいことだけど、それ以上に傷がついてしまうのが嫌なんだ。
そんな俺の心配を無視して、少し危うい手つきでじゃがいもの皮を向いている。そんな姿に、俺は自分の手元に集中することが出来ず、チラチラと皐月の様子を観ながら人参を切っていく。
「そんなに見なくても、多少は出来ますから。」
「いや、もうその手つき自体危ない。」
「別に、時々作ったりはしてたので平気ですよ。ほら。」
そう言って、皮を剥き終わったじゃがいもを見せつけられる。
…確かに、ちゃんと皮は上手に剥けているけども、出来上がりの事はどうでも良いんだって。皮を剥いている最中が心配なんだよ。指を切りそうな持ち方してるから。
「完成しましたね。」
「さ、食べるか。」
皐月が手伝ってくれたお陰で、いつもよりも早く出来上がった。…傷が出来ないかと不安ではあるけれど、やっぱり2人で作るのは楽しい。ソファに座らせてばかりだったけど、偶にはこうして手伝ってもらおうか。断りすぎて嫌われるのも怖い。
「明日DVD借りに行くか。」
「明日は、昼まで寝ましょう。」
「嫌だって。」
「康介さん、睡眠時間短すぎませんか。俺が来てから、余計に短くなったんじゃないですか?」
「いや、全然足りてる。」
「そう思い込んでるだけであって、体は限界を感じていたりする場合もあるんですから、これから休みの日はゆっくり寝ましょう。朝食は、俺は要らないですし。」
「…お前が寝たいだけだろ。俺の体は頑丈だから大丈夫だ。」
元々、睡眠時間が少なくても深く眠ることが出来る体質だから、疲れが残る事はあまりない。それに、寝ている間の時間は皐月の事を見られないのだから、時間が勿体なく感じてしまうんだよな。だから、少しでも早く起きて皐月の姿を見たいんだ。俺が早く起きることで、寝顔を見れることだし。あぁ、先に起きたからと言って変な事をする勇気がないけど。少しの気の緩みが、俺の理性をぶっ飛ばしてしまいそうだし。
一緒に寝ていて、やましい気持ちが全く無いと言えば嘘になる。
「体調崩しても、面倒見れないですからね。」
「そこは付きっきりで看病してくれよ。」
「嫌ですよ。弱っているのを強みに、我儘言いそうですし。」
「そんな事しないさ。」
その逆で、皐月に風邪を移すのが嫌で部屋に篭りきりになるわ。
「まぁ、お前が体調を崩した時は有給とって看病するから安心しろよ。」
「仕事して下さい。」
「嬉しいくせに。」
「嫌ですよ。風邪をひいたら移さないように、元の家に帰りますよ。」
「それは絶対にさせないからな!?」
「過保護過ぎでしょ。」
1人にしたら、飯を食わずに寝込んでいる。もしくは、野垂れ死んでそうだ。
今日言っていたように、俺が作る料理の量は少し多いのか、あと4分の1程度が残っている所で食べる速さが遅くなっている。…本当は、代わりに食べてやりたい所なんだ。別に意地悪をしているわけではないし、好きな人に意地悪をするような餓鬼でもない。ただ、あまりにも細いから心配で食べてほしいだけ。
多分、この量で一般的な男性の摂取量だと思うんだけどな。これでも、俺よりも少し量を減らしてやってるんだが。食べ終わるのを待ってやっていると、きっと待たれるのが嫌なんだろう。少し食べるスピードが早くなる。
「ゆっくり食べろよ。」
急かしているわけではないんだから。時間がかかっても良い。完食してくれさえすれば、それでいいんだ。
食べ終わった皐月は、食器をシンクへと運んでいく。そして、当然のごとく食器を洗おうとしている所で手を掴んだ。
「…食器ぐらい洗わせて下さい。」
「手が荒れるだろ。こんなに綺麗なのに。」
「これから、手伝いとかをさせてくれないようでしたら、此処を出ていきますからね。」
そう言われて、パッと掴んでいた手を離してしまう。
それは反則だろ。これから、何かする度に同じ事を言って脅されそうだな。
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