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負けず嫌い(2)
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仕事が終わって、結局10時過ぎではなく11時過ぎだ。昨日仕事を休んだツケがしんどい。10時には帰れるようにと、脳内でたてたスケジュールを壊そうとワザとかのように、机の上に積まれていく書類。確認作業。その間に、他社との打ち合わせ等。そして、最後の会食。アルコールが入った体で運転することも出来ず、電車で帰るにも終電前。結局、書類と確認作業は全部終わらせることができなかったから、明日に持ち越しだ。
玄関を開けると、室内は電気がついている。起きていてくれたのか?とりあえず、リビングを覗いてみるがいない。寝室にも浴室にもトイレにもいない。全部の部屋を確認して、もう一度リビングに戻ると、ソファから投げ出された足を発見する。
「ただいまー…。」
腹の上にノートパソコンを置いたまま、寝落ちしてる…。パソコンが落ちそうなので、とりあえず机の上によける。
時刻はあと少しで日付をこそうとしている。俺は、病み上がりだけどすでに疲れているし、もう寝てしまいたいが、しかし。今日は、皐月に抱いて貰うことを前提に考えながら、仕事を頑張ってこなして帰宅したわけだ。…風呂に入らずに、待っていてくれたみたいだし。正直、そんな然りげ無い優しさにキュンとする。
「皐月。」
名前を読んだが返事はない。…されるの嫌だと言っていたが、咥えてみたい。だが、嫌だと言っていることをして嫌われるのは怖い。あと、多分ほぼ無言でキレている姿を思い浮かんでゾッとしたため、諦める。どこまでだったら、起きないんだろうか。危険だとはわかってる。が、別に咥えるわけじゃない。
目を開けていないか確認しながら、そーっとチャックを下ろす。まだ大丈夫だ。だが、問題はここから。皐月が履いている下着も、俺が履いている下着もボクサーではあるけれど、俺は前開きで皐月は前閉じ。2人して黒がほとんどだから、ここで確認するしかない。さて、難関問題だ。前閉じの場合、下着をズラさないといけない。…ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり。
「何してるんですか。」
起こさないようにと気をつけて、下着をズラしていた手を掴まれる。
「帰ってきて早々、発情ですか。」
「…すまん。」
「今日は遅いから、また今度で我慢してください。」
怒られるかと思いきや、怒られない。軽く頭を叩かれ、皐月は風呂場へと向かうのかと思いきや、立ち止まる。
「風呂、先に入ってください。疲れてるでしょ。」
「いや、後でいい。」
「というか、酒臭いんで入って欲しいです。」
本気で怪訝そうな顔で言うから、地味に傷つく。確かに、結構飲んだけどな。仕方がなく、先に風呂に入ることにした。時間が足りない。俺が風呂から出て、皐月が風呂から出るのを待ったとしても1時ぐらいにはなる。そこから寝て、俺が3時間寝れるかぐらい。皐月も最近起床時間が早いから、同じぐらいだろう。そんな中で、セックスをしたら一睡もできないまま仕事をする羽目になる。
皐月は、俺ほど仕事に時間を取られることはないし、まださっきみたいに仮眠でも少しは寝れるだろうから良かった。だが、俺はとりあえず1週間は完全に忙しいし、ちゃんとした目処が立っていない時点で辛い。こんな短時間じゃ、全然皐月を補充できやしないな。さっとシャワーだけで済ませて、部屋に戻る。俺を見て、入れ替わるように皐月がバスルームへと行く。…足りない。
ベッドに横になって、皐月が出るまでの間何をして時間を潰すか考える。…ほとんど任せっぱなしだったが、実際男同士でやる時はどこま出来るんだ。最中は皐月と付き合えたということに実感が湧いていたのと、初めて挿れられる事の痛み、触れられた箇所が敏感になったかのように気持ちよく感じたのとで、リードもくそもなかった。
俺が自分で自分の感度をあげたりすれば、皐月も気持ちよくなるのか?自分の体をコントロールできれば、皐月を気持ちよくさせることができるのか?
とりあえず、ググッってみる。”男同士の慣らし方”。…この前はしなかったが、洗浄…浣腸をしないといけないのか。確かに、よくよく考えてみれば、排便するところだしな。やはり、最初の頃は気持ちよく感じる人も少ないのか。前立腺をいじることで、射精のときとは違うトコロテンってのが出て、何回でも続けてイキ続けることが出来るのか。肛門で気持ちよくなるのに手っ取り早いのは、ディルドを使うべきなのか。…さすがに、これはな。いくら俺でも、そういうのを買うのは気が引ける。となると、やっぱり自分の指で慣らしていくか。
そもそも、媚薬というのがあるが。あれは男でも効果はあるのか?漫画みたいに、理性を失って誰彼構わずというほどではないが、感度が高くなるのか。精力剤ってとこか。あと他に調べること…。
「寝てなかったんですか。」
「ん?待ってた。」
「待つ必要ないでしょ。すぐに寝るのに。」
「いいだろ、別に。ほら、早く。」
そう言って、隣を叩く。早く触らせろ。俺のことを面倒臭そうに一瞬見て、横に寝転がる。次の行動を皐月はちゃんとわかっていて、腕を回され抱き寄せられる。あぁ、今日一日頑張ったご褒美だ。同じシャンプーとかでも、俺とは違う皐月の匂いがするってのは、やっぱりどれだけ嗅いでもいいものだ。
「康介さんが言ってた、新入社員はどうでした?」
「やっぱ、似てる。菊池がいうぐらいだしな。」
「へぇ、菊池さんが。少し気になりますね。」
「駄目だ。」
「いや、歓迎会の時にちらっと見るだけですよ。」
「いや、一瞬たりとも見るな。」
「無理でしょ。」
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