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19ミッション
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中也の傷が癒えないまま、ミッション当日が来た。
私と中也は朝からボスに呼び出された為、部屋へと向かった。
「あぁ、エリスちゃん!!そんなに暴れないでおくれ」
「いやよ!そんなフリフリの服なんて着たくない」
「そんな事言わずに!!あ、ほら、今度彼処の洋菓子屋に連れて行ってあげよう!!」
「彼処の洋菓子は前部食べたもの。別のところがいい」
どうやら今日も、ボスはエリス嬢に困っているようだ。
会話から察するに、何時もやっている服の付けのようだ。
「中也、入ってもいいかな」
「まだ待っとけ」
「失礼しまぁす」
「おい太宰っ」
だってぇ、こうなったら何時まで経っても入れなさそうなんだもん。
私は躊躇なく、重たい扉をノックせずにガチャりと開けた。
後ろでまた騒いでいる中也はしぃーらないっ!
開けた扉の先に見える光景は、まぁ、如何にもなおじさんが半裸の幼女を追いかけ回しているという、非常に危ない構図だろう。
「ボス、お呼びでしょうか」
「エリスちゃん!!これだけでいいから!!一生のお願いだよ〜」
「リンタロウのその目が嫌なの!!必死すぎて気持ちわるい !!お客様が来たんだから相手して差し上げれば!?」
エリス嬢は1枚のフリフリではない服を乱暴に掴んで、隣接する部屋への扉を開けて消えた。
「ボス、お呼びでしょうか」
私はニコニコとした笑顔で、さっき放った言葉をもう1度投げかけた。
「……太宰を止めたのですか……」
中也は気まずそうにフォローする。そんなこと必要ないのに。
「いや、構わない。君達は何も見ていないのだからね。」
そう言ってボスは手に持っていた、フリフリの洋服を綺麗に畳んでソファーに置いた。
そして、何事も無かったかのように何時もの席に深く腰掛けて、毅然な態度をとった。
「まぁ呼んだのは他でもない。今日のミッションについてだけ」
中也は帽子を取って、胸に当てて姿勢を整える。
一日経ったが、今のところは動ける様だし、大きな外傷も目立っていない。
横目に中也を確認してから、ゆっくりボスに視線を戻す。
「No.12のとこは、最近衰えてはいるが厄介だ。まぁ、君達2人ならお手の物なんだろうけど」
「恐縮です」
中也が軽く会釈する。こういう礼儀とかはホント、荒い癖に気を使うよね。
私は身動き一つせずに、任務中にいい自殺場所が見つかるといいなー、なんて考えている。
「しかし、呉々も油断は禁物だよ。以上」
何だ。それだけか。
中也はまた軽く頭を下げてから帽子を被り、私と一緒に扉の方を向いた。
「おおっと、そうだ太宰君」
中也は、私だけが呼び止められたことを理解し、振り向きはせずに、1人だけ部屋を出た。
私は半身を翻し、ボスを見やる。
何だろう。
「中原君を、呉々も守り給え」
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