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中原中也誕生日(本文関係なし)
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4月29日……それは私が最も大事とする日……
そう────
今日は中也の誕生日だ!!
多くの部下や上司に可愛がられている中也は、朝から大量のプレゼント箱を持って、部屋とあちこちを往復していた。
あのちっちゃい身長より高いプレゼント箱を抱えて。
さて、私はどうするかな……。
中也の新車に爆弾を仕掛けようか?
貯めてある年代物のワインを飲み干すか?
いつものダサ帽子を一斉処分?
…………くっ……、今迄やって来たことしか思いつかない!!
マフィア幹部と謳われる私が中也如きの誕生日に特大の『サプライズ』を用意出来ずにどうする!?
中也には数々の『サプライズ』を捧げてきた。
なのに今日は一つも浮かばない……。
何年も一緒に居るからって、名案が尽きるなんて情けない。
ここは私らしく、今年も中也の最高に嫌がる顔を拝もうではないかっ!!
『おい、お前中也さんに何あげた?』
『年代物のワインだよ。中也さんすげぇ喜んでくれてさ』
『中也さんって、笑った顔滅茶苦茶可愛いよな』
「君たち。上司は『中原さん』だよ」
『だっ、太宰さん!?』
『すみません!!』
……面白くないの。
なんで部下に名前で呼ばせてんの?しかも笑った顔が可愛いなんて、なんで知られてるの?
あー……むかつく……
**********************
コンコン
「誰だ」
「ちゅーやぁー私だよー」
「何の用だ」
中也の自室のドアをノックして、名乗った筈なのに機嫌の悪そうな声になる。
もぉーそんなに犬猿しなくても〜
私は断りなく中也の部屋のドアを開けて中に踏み入る。
すると、中也はベッドの上で、一つ一つ丁寧にプレゼントを解いていた。
「これはこれは本日の主役君。沢山の貢物だね。羨ましいよ」
「手前は何時も要らねえっつってんじゃねぇかよ」
確かに、そんなの貰ったってどうもしないし、行き先は殆ど塵箱だ。
「なんか良いもの貰った?」
「まぁ、このワインなんか、なかなかだ。」
四角いプレゼント箱が多い中、とても目立つワインのプレゼントはそれだけだった。
ふぅん……
「実は私もプレゼントを用意してみたのだけれど」
「はぁ?手前のプレゼントなんざ信用出来ねぇよ」
「えー中也の好きなものだと思うのだけど──」
私は後ろ手に持っていた物を中也の前に差し出した。
「あ゛…?…………っ、おま、これシャトーじゃねぇか!!何処で手に入れたんだよ」
ほら可愛い。
こういうところは素直なんだから。
目の前に差し出された魅力的なプレゼントに、中也の目はもうキラキラとマフィアらしからず輝いている。
「私が中也の為に、ちょっと」
「うげ、何だその葉が浮台詞は」
いやいや、中也の為なのは本当だし。
「まぁいいや。中也、私と飲まない?」
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