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20ミッション(中也)
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「蜻蛉、所定の位置から5m離れとけ。蟷螂、蜉蝣と連絡とれるようにしとけ。」
各々の部隊の位置を確認し、その場での状態で命令を出すのは俺の役だ。
的確な位置に付けて、対象の包囲は基本。
状況によって勿論様々な策を建てている。
「中也、一寸彼処に良い感じの川が見えるだろう?」
「其の侭流されろ」
緊張……迄は行かないが、せめてもの危機感を持ちやがれ糞野郎…っ。
太宰は其の侭、俺に背を向けて後ろの森へと紛れて行った。
これで幹部なんて有り得ねぇ。
どうせ、此のミッションは太宰の野郎一人でも出来る事だが……。
「立原、今何分だ」
後に控えていた黒蜥蜴の一人、立原道造に声をかける。
「んと、19分ッス」
立原は自分の細い手首に着けている腕時計を見ながら応えた。
ミッション開始時刻は10時25分。もうそろそろだ。
服装を整えて、手袋を確りはめて、具合を調節する。
俺は身体を使う武術だし、もしもの時に不備があると集中出来なかったりする。
まぁ、俺の場合、身体中が壊れてるから、服の不備なんて……。
「……銀」
「はい」
立原と反対側に立っていた銀が、俺に呼ばれてスッと此方に近づく。
「ミッション開始から、五分経ったら東の窓を割っておけ。」
「承知」
銀を下がらせると、定刻より一分前になった。
そろそろ動くか……。
今日のミッションの内容は情報押収と殲滅。
その情報が在るのは此の二階建て倉庫の上階。
No.12のファミリーは大きな拠点を持たない。
何時でも捨て逃げが出来るような廃墟らしい倉庫等だ。
大きく構えない代わりに逃げ足が早く、部下との即決力も堅い。
No.12の下っ端は捕まっても、拷問されても決して口を割らないことで知られている。其処はマフィア並だ。
ミッションの開始手筈は、幾つかの部隊、『蜻蛉』や『蜉蝣』といった『黒蜥蜴』の下に付いている小部隊で倉庫周りを固め、一階を制圧。
その間に俺と太宰が……俺が二階に上がり情報押収と消滅。
今回的には、俺と太宰糞野郎のバディな訳だから、電子機器の取り扱いが得意な太宰が情報。俺が周りの敵を一掃。という形だった。
「中也さん、定刻です」
立原がいつもの口調で俺に呼びかけた。
「サァ、行くぞ」
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