アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
21ミッション(中也)
-
一階は有能な部下に任せて、俺は二階にかけ登った。
銃声や喚き声は、あと五分もすれば鳴り止むだろう。
俺の部下は優秀だが、なんせ、No.12のファミリーは人数が多い。
それも、脆い頭数なんかじゃねぇ。ちゃんと裏に通づるそれなりの極悪人共だ。
部下一人一人は五分五分ぐらいだろう。
「ッ、……」
倉庫の癖に無駄に長い階段の途中、肋がギシリと嫌な音を立てた。
糞が……っ
一瞬顔が険しくなるが、すぐに二階を目指した。
「此処か」
軽そうなトタンの扉の取っ手に手をかける。
ピ────
バァァァァッン
「危ねぇ御挨拶だな」
「挨拶するだけ良いだろう?君達のような横浜の狗は挨拶も無いからねぇ」
扉の取っ手に仕掛けられていた爆弾は、取っ手に手をかけた時に重みで分かった。
わざと爆弾を発動させて、俺は爆風と共に飛んで天井に足をつけた。
中から嫌な笑い声を発しながら、趣味の悪い、倉庫には似合わない銀のメタルスーツを来た、背の高い男が出てきた。
しゃらしゃらと気取ってるこの男はNo.12のファミリーのボスだ。
顔は勿論、性格まで確りとブラックリストに載っている。
「コソコソ逃げ回る鼠よか堂々としてるだろう」
「おやこれは、横浜の優秀なちびっ子狗君ではないですか。今日はどんなご用事で?」
何処からそンな呼び方が出回りやがった畜生っ……。
「うちのボスが其方さんの情報が入用でねぇ、ちぃと渡しちゃくれねぇか?」
引き攣る頬を悟られないようにしながら、俺は男の周りを観察する。
階段は俺が登ってきた所だけ。
しかもそこはさっきの爆発で吹っ飛んだ扉とかが重なっていて使えない。
扉も男の後ろだけ。逃げるとすれば後ろの部屋に入るしかない。
そして其処には例の情報がある大型機器が置いてある。
無闇に逃げ込んでぐちゃぐちゃにさせるような事はしない筈だ。
そしてこの男は武術より心理や交渉術だ。
俺とタイマンならほぼ俺に勝算がある。
だから多分今回も……
「取引をしようじゃないか」
ほらな────?
男は靴を鳴らしながら、俺の真下に来て、俺を見上げる。
今は別に戦わなくてもいい。此奴の口車に乗っか多様に見せかけて、時間を食えばいいんだ。
後2分────
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 34