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23ミッション
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ファミリーのボスが振り回した腕が、中也の肋に直撃したのを、男越しに見た。
中也が落ちていくのが、スローモーションの様に見えた。
中也は多分異能を────
この下は部下達がまだ暴れている。
機材や鉄材が無造作に置かれている。
ここから落ちたら────
下から、聞き慣れた二丁拳銃を扱う音が聞こえた。
「立原くん!!」
「ハイッス!!」
私は下にいる筈である立原道造に思いっきり声を飛ばした。
すると、優秀である立原くんは直ぐに返事を返してくれた。
「うぉおおおっ!」
「私の中也に傷を付けたこと、死んで詫びてもらうよ」
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「太宰さん」
錆びた階段を使って下に降りると、中也が立原の腕に抱えられて地面に座っていた。
他の部下達は、後始末をいそいそとしている。
「有難う。済まないね、急な呼び掛けに吃驚しただろう」
「いえ。でも中也さんが降ってくるとは思わなかったッスけど」
「中也、意識ある癖に部下に何時まで甘えているんだい?」
立原の腕の中でぐったりしている癖に、ちゃんと立原の服を握っている。
……まぁ、之が立原じゃなかったら、取り敢えず其の部下はもう居なかったけど。
「煩ぇ……。俺だってンな姿部下に見せたくねぇよ……」
せめてもと、中也は帽子で顔を隠している。
「中也さん、そんなに酷い戦い方したんスか?」
「え?あー…前回のミッションで負った傷に腕が当たってね。其の侭落ちた感じ」
立原に言ったら中也は大泣きしちゃうよね〜。それに、立原が知る必要性もない。
「中也、こっちおいで。」
「痛いから動きたくない」
「何甘えたこと言ってるんだい?みっともないよ」
私は強引に中也を立原から引き剥がし、腕を肩に回させた。
「う……」
「我慢」
お姫様抱っこしたいところだけど、多分身体を曲げたりすると痛むだろう。
背負っても傷が当たって其又痛むだろう。
自分で歩いてもらう他ない。
「手前ぇの服濡れてるから嫌だ……」
「我儘言わないでくれ。今回も入水に失敗した此方の身にもなっておくれよ。」
そうして其の侭ミッションは終わり、拠点に戻ることになった。
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