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蛇の娘?
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「ウノか。新入りの紹介だ、開けてくれ」
唐突に聞こえた少女の声に驚いたオレを気遣ってか、七志乃が少女に対応する。
「新入り……ということは昨日の夜引っ越してきた人間の事ですね。少々お待ちを」
プツン、とインターホンが切れる音がして、少女の声は聞こえなくなった。
「七志乃さん、今の女の子は……」
七志乃が『ウノ』と呼ぶ少女。
名前なのか、愛称なのかは定かではないが抑揚からして日本の名前ではない事だけ分かる。
「ウノはお前が言う蛇男の、『娘』みたいなものだ」
「娘……じゃあその『ウノ』という娘も蛇みたいな見た目だったり――」
――――ガチャッ
と、そう言いかけたところでドアが音を立てて開いた。
出てきたのは見た所、七つぐらいの見た目をした少女。
白い服に白い髪と、血が通っていないような透明な眼球。まるで色彩がない、幻想的な幼い少女がそこに居た。
「……はじめまして、ワタシは『ウノ』。あなたの名前は……?」
少女が静かに口を開く。
その冷静さはまだ七つぐらいの少女とは思えない素振りだ。
「あ、青鷺 一也……です」
お、思わず自分より、遥か年下の見た目をした少女に敬語を使ってしまった……。
「一也……では『カズ』と呼ばせてもらいます。カズもワタシの事は好きに呼んでください」
初対面、会って約10秒であだ名を決められた。
……にしても『カズ』とはな……どうでもいい話だけど小学生時代のオレのあだ名じゃないか!
「ところで、カズと『なな』はお母さんにも会いに来たのですよね?」
「……お、お母さん……?」
「蛇のことです。
『なな』がさっき話したこと、ワタシが『蛇の娘』という話」
『なな』というのは七志乃のことだろうか……。
確かにさっきまで七志乃とそんな会話を交わしていたが……
少女の身体に軽く目を通す。
……少女の肌は、大理石で出来た彫刻の様に白い。
一瞬、白蛇を連想させたが蛇の特徴である鱗や独特な模様は何処にも無かった。
肌が西洋彫刻ばりに白いことを除けば、まるで彼女は……
「……まるで色がない人間のようだ」
「正解です」
「へ?」
ボソリと呟いた独り言は少女には聞こえていた。
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