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地下へ1
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ウノからの「物を取り出すのを手伝って欲しい」という頼み事を二つ返事で了承する。
七志乃は外で待つということらしい。
早速ウノに家の中に招き入れてもらい、何故か『ガスマスク』らしきものを手渡された。
「ほ、本物だ……」
ぺたぺたと渡されたガスマスクに触ってみる。
コスプレなどに使うものとは明らかに重さが違って、ずっしりしている。
「でもなんでガスマスクなんて……」
「危険だからです」
き、危険? 一体どういう事だ?
「これから行く所は、普通の生物の身体に何かと影響を及ぼす、気体が溜まっている場所です。
とりあえず吸わなければ大丈夫らしいので、それを渡しました」
なんでそんな場所が、住宅街のアパートの一室にあるんだよ! というツッコミは置いといて、
「ちなみにその気体を吸っちゃうとどうなるんだ?」
興味本位でウノに聞いてみた。
「話によると長期間心臓が動きを止めるだけらしいです」
…………ひっ。
「と、いうのは冗談です。
大量に吸い込んだところで死に至ることはありませんし、身体に悪影響が出る訳でもありません。
しかし、吸うととても不利益な代物というだけです」
なるほど。
まぁ、不利益な代物はちょっと嫌だしな。
とコクリとウノの言葉に頷いて、なれない手つきでガスマスクを何とか付けてみる。
ウノはオレがしっかりガスマスクを付けたのを確認すると、「では行きましょう」と家の中を案内する。
案内されたのは玄関から一番近い小さな部屋だった。
六畳間ぐらいの部屋で特に何か置いているわけでも無ければ、絨毯が一枚無造作に敷かれているだけの部屋だ。
ウノがその絨毯の前に立ち、腰を屈める。
そして絨毯を大きく捲るとそこには……
「これは地下室への入口です」
「ち、地下ァ!?」
「はい。お母さんが『狭い』と言って勝手に作ったそうです。二日で」
「ふ、二日で勝手に作った……!?」
二連続で蛇男の奇行に驚かされた。
……今更だが蛇男は無茶苦茶凄い奴なんじゃないだろうか。
「ところでカズ、灯りなどは持ってませんか?
地下は薄暗いので何かあれば助かるのですが…」
灯り……? んー……。
ポケットの中をガサゴソと漁ってみる。
「あ、……これで大丈夫か?」
そう言って懐中電灯の機能が付いている携帯をウノに見せる。
「それは携帯、と呼ばれるものです、か……確かに十分な灯りになりますね」
一瞬、ウノはまるで初めて携帯を見る子供の様にじっと携帯を見つめた。
もしかしてこの子、このタイプの携帯に触ったことないのかなぁ……。
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