アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
入居1日目1
-
ピピピ ピピピ ピ
カチッ
――午前六時
目覚し時計の針を見つつ、布団から出ようとする。
「さむっ」
布団から片足を出した瞬間、冷たい空気にビビりすぐに足を引っ込めた。
「………洋服洋服っと」
うつ伏せたまま適当に、散らかった部屋から服やらを掴もうとする。どこだどこだ、と布団の周りを雑に探る。
「――これか? お前が探しているのは」
突然部屋に自分じゃない声が響く。
驚いて体を起こして声がした方に顔をやった。
目をやった先、そこにはオレの私服を手にした、見知らぬ青年が一人、立っていた。
「――――」
目を擦る。人が居るなんて見間違いでは無いのだろうか。
再び青年がいた方に顔を向ける。
……うん、見間違いじゃないな。
「…………あ、えっと―――」
何か話しかけようとしたが、言葉が詰まって結局、青年まじまじと見つめた。
鮮やかすぎる髪に黄金色の目、白すぎる肌、整えられすぎている顔。
美形だが、容姿のどれをとっても人間らしさを感じられない。
そんな青年が目の前に立っていた。
「さっさと起きて支度をしろ。近所挨拶も兼ねて、このアパートのことを説明してやる」
唐突に青年はそう言って、持っていた服をこちらに投げた。
それをなんとかキャッチ。
「早くしろ」と青年が言い残すと、部屋を後にして外に出ていってしまった。その青年の背中をポカンとした顔で見送る。
(い、一体何だったんだ……?)
と思いつつも、急いで青年に言われた通りに支度をするのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 25