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彼との時間が欲しくて1
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それからの日々はとても平和なものだった。
これも浩太が言うように全部寺塚のお陰なのだろう…
月曜日…目が覚めた俺の気分はどん底だった。
やっぱり行きたくなくて、このまま休んでしまおうかと再び布団に潜り込んだところで寺塚の言葉を思い出す。
もし今日行かなかったらがっかりするだろうか…
聞けば幼稚園の頃、俺は“将来りょーくんのお嫁さんになる”なんていう驚きの発言をしていたらしい。
可愛かったのよ、なんて母親は無責任なことを言っていたけれど、今男としての道を踏み外しかけているのはこの影響が少なからずあるように思えてならない。
重い身体をズルズルと引きずり出して俺は何とか身支度を整えた。
学校へ向かう途中、軽く頭痛を感じながら暗い気持ちで学校へ辿り着いてみれば、この間のことは一体なんだったのかと思うほど全てが穏やかだった。
後から登校して来た寺塚に頭をぽんぽんと叩かれると、俺を見つけた清水が駆け寄ってきて頭を下げて謝ってくれた。
周りの皆も始めは気まずそうにしていたものの、一日が終わる頃には何事も無かった様に冗談を言ったり変わらず接してくれていた。
ただ一つ変わったことと言えば、清水が寺塚に付き纏い始めたことくらいだろうか。
見たところ寺塚自身は全く相手にしていないようだが、清水はその日から繰り返し「寺塚君、寺塚君」と寺塚の後ろをくっ付いて回っている。
お陰で普段から寺塚と共に行動している俺たちも必然的に一緒に行動することになってしまった。
浩太の清水を見る目はまだまだ冷たいけれど、なんだかんだ一緒に過ごしている内にこのメンツでいるのが当たり前になっていて、正直まだ気を許せてはいないものの、申し訳なさそうにする清水になんとなく俺も絆されていた。
そんな中、寺塚に幼稚園の時の事を聞くタイミングがあるわけもなく…結局今に至っているわけで、、
つまりまだ何も聞けていないまま、そろそろ四月も終わろうとしていた…
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