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彼との時間が欲しくて3
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別棟にある会議室には生徒用にしてはなかなかに立派な机と椅子が並べられていた。
席はクラス順に用意されていてA組の俺たちは端っこだ。
浩太と並んで座ったところで「わー広ーい!」と男にしては高めの可愛らしい声が聞こえて入口に目を向ける。
するとそこにはくるんっと丸く大きな瞳に、同じ様にくるんっと緩くカールした髪の、全体的に色素の薄い少年が扉から顔を覗かせていた。
背も低くて、ほんとに男?と疑いたくなるような人形のようなその容姿に、既に来ていたクラス委員の注目が一斉に集る。
「へー…佑真とは違ったタイプの美少年だね」
横で同じように眺めていた浩太の何気ない一言に、胸がギュッと掴まれたように痛んだ。
「はじめまして。僕、佐久間 柚流(さくま ゆずる)よろしくね」
一直線にこっちに向かって来た彼は俺たちにそう名乗るとニコニコと隣の席に着いた。
B組にこんな子いたんだ…
近くで見れば見る程可愛い顔をしている。
「ほんとはこんな面倒なこと僕もしたくなかったんだけど、クラスのみーんなが嫌がるから、さっさと終わらせたくて立候補しちゃった」
クラス委員になった経緯を自ら話出した彼は突然満面の笑みを浮かべると、「ねね、君って入学式で代表の挨拶してた人でしょ?」と相槌を打つ間も無く今度は俺を挟んで浩太に話し掛け始めた。
さらっとカッコいいよね?などとハート付きで言ってのける様は初対面のくせに馴れ馴れしい。
しかも俺のことはまるで見えていないかのようにその視線は浩太にのみ向けられていた。
ふと別の視線を感じて佐久間の後ろに目をやると、佐久間の相方だろうか?メガネを掛けた地味な生徒がパッと視線を逸らしたのが見えた。
印象としては正反対な二人に少し可笑しくなる。
そんなこんなしているうちに先輩方、つまり生徒会のメンバーが部屋へと入ってきて全員が席を立つ。
受験した時には全く知らなかったけれど、どうやらこの学校には生徒会の力が結構大きく働いているらしい。
生徒の自主性を促す為だそうで、今回のコミュキャンも一年生のみの行事なのに生徒会が関わっていた。
学校側としては縦社会について学ばせるつもりらしいけど…うーん。
まぁでも確かにまだバラバラの一年生をまとめるのには生徒会の様な分かりやすいトップが必要なのかもしれないなと一応納得してみる。
一通り挨拶が済んで、ようやく静かになったところでコミュキャンの説明が始まった。
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