アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
彼との時間が欲しくて4
-
説明の内容はこうだった。
このコミュキャンでは毎年恒例の“クラス対抗プリンセス争奪戦”が行なわれる。
その為に各クラス委員はクラスをガーディアン(守る者)とソルジャー(奪いに行く者)に分け、プリンセスを一人選抜しなくてはいけない。
ルールは設けられた制限時間内にソルジャーがどれだけポイントを稼げるかというもの。
他クラスのプリンセスの証である薔薇の髪飾りを奪えればそのクラスには高得点が与えられる。
それにプラスしてガーディアンのみに与えられたハチマキを一本1点として計算。
ハチマキを取られてしまったガーディアンはソルジャーに転身しなくてはならない。
但し一度取られたハチマキを奪い返してガーディアンに戻ることは許されていない。
そんな中でより多くの点数を取ったクラスが優勝というものだ。
ゲームとしては面白そうだけど…
何でわざわざプリンスではなくてプリンセスにしなくてはいけないのか…
プリンセスになんて選ばれたら男どもに追い回される羽目になるのだ。
悲惨以外の何物でもない。
俺が愕然としていると「やった☆」と隣から可愛らしい声が聞こえてくる。
佐久間?
見れば目を輝かせて俺の奥にいる浩太を見つめていた。
「ねね、葉月くん、僕絶対プリンセスになるから葉月くんはソルジャーになって僕を奪いに来てょ」
なっななな…ッ
思わず叫びそうになってグッと堪える。
奪いに来てょって…奪うのはあなたじゃなくて髪飾りなんですけど。
でも佐久間は分かってて敢えてほんとに自分を奪いに来てよって言ってるわけで…
そっと浩太を盗み見れば満面の笑顔だ。
確かに来る者拒まずって言ってたけど、、
不安に胸がざわつく。
「佐久間は俺に奪われたいの?」
そう、だよね…
浩太だってそれを分かってて拒否なんてしない。
しかも相手がこんな可愛い子なら尚更だ。
佐久間はというと、より一層大きな瞳をキラッキラ輝かせて頷いてる。
ここまで素直だと逆に清々しささえ感じる程だ。
ダメだとかイヤダと言えない自分の立場に、こういう時恋人じゃないことを痛感させられるのかと俺は一人悲しくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
48 / 203