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現実を理想だと思いたくて13
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「ん…ッ」
歩く度にもたらされる振動が中心棟に着く頃には俺の中に燻る熱を再び呼び覚ましていた。
「りょ、、う…身体が…」
中途半端に与えられた快感に身体が悲鳴を上げている。
限界だった。
「…もう少しだ」
それに答える僚は俺を見ない。
ただ吐息の触れた耳はほんのり紅く染まって少しだけ熱を持ったようだった。
どうして俺はさっき浩太ではなく僚の名前を呼んだのか、、
その理由はわからない。
ただ僚の腕の中は安心できて、俺を助けてくれたのが僚でよかったと心から思えた。
だから僚の首に縋る。
こんなに熱いのだと、全身の熱を押しつけ、擦りつけるように肩口に顔を埋める。
そんな俺の態度に僚はそれ以上は何も言わず、ただ少し俺を抱く腕に力を込めた。
ガラガラガラ
僚が扉を開けて入ったのは一階にある保健室だった。
誰もいないのか電気が消えている。
おそらく白井先生は体育館に設置された救急テントにいるのだろう。
僚は横たえるように俺をそっとベッドに降ろすと、バラの髪飾りも無くなって、すっかり乱れてしまったウィッグを外した。
そして真っ黒になった足を濡れタオルで拭きにかかる。
冷たいタオルが足に触れた瞬間、背中をゾクゾクとなんとも言えない感覚が這い上がる。
「…っあ、、足…や、、っ」
反射的に引っ込めると僚が僅かに眉を顰めた。
僚は俺の身体が敏感になっていることを知らない。
だからこれが優しさなのはわかってる。
それでも快感を含んだくすぐったい刺激から逃れようと、俺は僚を見つめイヤイヤと首を振った。
今こんな刺激もらったらヤバイのに…
後孔はさっきから物欲しげに緩んだ口をクパクパと開閉させている。
それを知ってか知らぬか僚は俺の足首を掴むと「すぐ終わる」とやはり俺を見ずに残りの汚れを拭い始めた。
熱に浮かされた頭がボーッとする…
「ん…ンあ…、、はぁ……ンっ」
無意識に漏れ出た俺の吐息混じりの声に、ようやく僚は動きを止めると、すっくと立ち上がり「…もう、終わった」と一言残してタオルを濯ぎに行ってしまった。
突然解放されて今度は物足りなさに身体が疼く。
さっきからずっとこんな感じだ。
ただただ焦れったい…
白いベッドの上で一つずつ解放されていく。
まるで何かの儀式みたいだ。
最後に僚はようやく俺の顔を見ると、汗で張り付いてボサボサになった前髪をそっと左右に掻き分けた。
指の感触が心地いい。
「助けてくれて…ありがと、、」
「…ん。」
短い返事はいつものこと。
でも離れ際に僚の指がサッと耳を掠めると、普段なら感じないはずの甘い痺れがピリリと全身を駆け抜けていった。
…ズクンっ
その途端、大きく体積を増していた中心から、一度は乾いた先走りの蜜が溢れ出す。
「あ…っ」
どうしよう…もう、我慢…できない…っ
僚がそんな俺の身体の変化に気づいているかはわからない。
ただ無意識に膝をすり合わせて、僚の視線を誘うように腰を浮かせれば、押し上げたチャイナ服に小さく染みができた。
「僚、俺…」
限界はとっくに超えていた。
ただ僅かに残る理性で耐えていただけ。
そんな有って無いような理性を弾け飛ばすのに今の刺激は十分だった。
僚に触って欲しい…
強く擦って…
そして…
「気持ち良くなりたい…」
一瞬自分でも何を口走ったのか分からなかった。
でもそれは本心で、中途半端に燻られた熱が身体の中で行き場を探して蠢き続けている。
早く外に吐き出したい…
俺は僚の手を取ると熱に浮かされたように自分のそこに導いた。
「ね、イかせて…」
僚の顔が一瞬強張る。
口をギュッと結んで俺を見つめる。
見つめて…それから僚はゆっくり首を横に振った。
「なん、、で?」
急に助け舟から突き落とされたような気がして不安に駆られる。
僚になら自分の身体を触られても嫌じゃない。
それに今、この熱を欲を抑えられるのは僚だけなのに…
「お願い…」
僚の手が俺の手の中からそっと離れていく。
「ゆうを…大切にしたい…今だけなんてのは、俺には無理だ…」
「っじゃあ…今だけじゃなくて、、いいから…」
「……………」
「だから…俺をイかせてよ…」
この時の俺はどれだけ色欲に濡れた瞳をしていただろう。
ただ目の前の快楽を欲して手を延ばす。
「僚が…ほしい…」
僚の身体が…僚の優しさが…今の俺には必要だと、本気で思っていた。
僚に強請ることがどんな意味を成すのかなんて考えていない。
それに僚の気持ちも…
おそらく考えたとしても俺は縋っていたに違い無いから…
引き下がる僚の手をもう一度握りしめる。
その手にはさっきまでの冷んやりとした冷たさはなく、繋いだところからは俺の身体よりも遥かに熱い高ぶりを感じた…
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