アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
泣き止んでくれそうにない目の前の少女。
泣いてる理由が分からなければどうしようも出来ないんだが、今はそんなこと話してくれる程の余裕はなさそうだ。
「…その子、迷子なんじゃないの?」
「え、迷子?…あー」
急に泣かれてそっちの方に気が行ってて気にしてなかったけど、この年で親と一緒にいないでここにいるのは可笑しいよな。
と、なると俺を見て泣いたのは、怖かったんじゃなくてはぐれた不安が人の顔を見て爆発してしまったから…なんだろう。
それならここにいたら駄目じゃん。迷子センター?って所に行かないと。
…でも、この状態で連れていくのもあれだよなあ…。
「落ち着くまで待つか。…とーかさんどうする?俺こいつ見とくからその時間とーかさん店見て回る?」
「大丈夫よ」
「遅くなるかもよ?」
「良いわよ。まだ3時来てないのよ?これで遅くなっても帰れるのはいくら遅くても7時くらい。勉強も出来るし急ぐことじゃないわ」
「…なら良いんだけど。…よっと」
桐華さんが向かい側の椅子に腰掛ける。
俺も少女を持ち上げて少女が座ってた所に座り、少女を膝の上に座らせる。
他に椅子が空いてなかったんだ。それに俺もちょっと休憩したい。
「…んぁ…?」
少女の頭を撫でていると、少し落ち着いたのか服を引っ張られる。
顔を覗いてみると鼻を啜ってはいるが泣き止んでいた。
「落ち着いた?」
「………うん…」
「母親と来てたのか?」
「……うん」
「そうか。……え、ちょ悪かったから泣かないで…」
泣き止んですぐに親の事を聞いたのがまずかったようでまた目頭に涙をため始めてしまい、桐華さんに救助要請の視線を送る。
桐華さんはそれに気づくと、はあぁ、と深くため息をついてから少女の頭を撫でて微笑んだ。
「お母さんもきっとあなたのことを探してるわ。だからきっとすぐに会えるわ」
「ほん、と…?」
「ええ。だからそれまでの我慢。我慢したらお母さんに褒めてもらえるかもよ?」
「……我慢…する」
「良い子ね」
……うわぁお。泣き止んだ。桐華さん話術すげー。
「じゃあ、場所を移動しましょう?こんな人が少ないところにいたらきっとお母さんも見つけれないわ」
「…うん」
「……とーかさんやっぱおか…」
「メニュー」
「お姉さん」
「…それならまだ許してあげる」
危ない。休み明けから地獄になるところだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
522 / 1113