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見ないようにしていても無音と言う訳じゃないから嫌でも音は聞こえてきて、何かが這いずる音、悲鳴、砕けるような音。
それらの音は想像を掻き立てるには十分すぎるもので俺の方が助けを求めたい位だ。
「えっ何々昴流君苦手なの?かわいー」
「あ、あんなの…見るようなものじゃ…」
「あら…。これ本当に無理そうね…ちょっと雪路~テレビの音量下げなさいよ」
「昴流苦手ぽい」
「マジ?ごめんなー」
ぎゅうう、と耳を塞ぐ手に力を込める俺を見て、真さんと涼が雪路さんに音量を下げるよう言ってくれた。
そのお陰でテレビの音の大きさが4つほど落ちて先よりはましになる。
ましになっただけで、聞こえはするから恐怖がなくなるわけでは無いのだが…。
「え、昴流ホラー苦手だったの…?お、親父どうしよテレビ破壊すべき?」
「…人様のテレビなのでここは電源ケーブルを引き抜くまでにした方が…。ってちょっと流星本気でとらないでください。冗談です」
「人が見てるところで電源切ろうとすんな」
「ええ…親父にしては名案だと思ったんだけどな…」
「心外ですね」
「常識がすっとんでんのかそうじゃ無いのか分からない会話ね」
「お前も似たようなもんだろ…流星さん日に日にブラコンっぷり悪化してないか?」
「…そう…?いつもあんな感じだと思うけど」
俺が怖いからといかにして俺の耳に音が届かないようにするかを 話し合う3人。大袈裟過ぎてその話題の中心が自分だと言う実感を持てない。
兄貴そんな酷くなったか…?通常運転だと思う。…あ、俺が慣れてしまっただけ?
「昴流、あれ終わるまで場所移動する?」
「…いたくない」
「ふふ、かーわい。じゃあ、隣の部屋に行こっか」
「うわぁ…っ?!」
わしゃわしゃと髪の水分を拭き取っていた手が止まり、俺の腰の方へ移動し、直後に体が宙に浮く。
予告してくれたら良いのに、してくれないから急なことに吃驚して反射的に涼の首にしがみついた。
「はは、怖かった?ごめんね」
『嫌ぁぁ…!!置いていかないで…!!!』
ーグシャ…っ、グチャア…ー
「っ…!」
小さくなったとは言え微かに聞こえる潰れるような音のオンパレード。
体が急に浮いたよりもこっちの方が怖い。ぎゅうう、と涼にしがみついて「早く移動して」という意を込めて足をバタバタと揺らした。
「ふふっ、はいはいお姫様。…にしても意外だな。お前がこういうの苦手なんて。『こんなん作り物だろ?』って言うイメージがあったのにな」
「…ぞんび、だけは無理。気持ち悪い…音とか…動きとか…心臓に悪いし、作り物でも本当無理」
「えー、じゃあ俺がゾンビになったらどうする?」
涼がゾンビ…でも無理。無理無理無理無理。
ゾンビって1回死んでるじゃん。自我持ってないじゃん。それって外見が涼のただの化物じゃん。
「中身が、涼じゃないならりょ、じゃない…むり。きもい…いや…」
「む…俺が突然変異でゾンビになって自我持ってたら?…体だけゾンビ?」
体だけ…ってことは追いかけてきたり変な呻き声とか奇声とか発しないんだよね?あと人を食べたり…。そ、それなら…。
「そうなってもいっしょ、にいる…」
…あれ、でもそれって涼がゾンビである意味なくね?まぁ…うん。どんな涼も好きってことで。
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