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学校も始まり、並行して部活動も再開。
3年生は受験勉強で事実上引退し、桐華さんも顔は11月くらいから見せていない。
陸上部で話す人なんて愁と桐華さんを除いたら3年数人とマネージャーくらいで、話す相手も居ないから黙々と、適当に流したりしながらメニューをこなしていく。
メニューに筋トレは入ってて、週2でこなしてるのに、俺の筋肉は全然成長を見せない。もしかしたら体質的にこれ以上つけるのは難しいのかもしれない。
「ちょっとせんぱーい。着過ぎですって。何枚着てるんですか」
ベンチコートを羽織って休憩していると1年のマネージャーの子が声を掛けてきた。
テニス部員でもあるらしく、スポーツ少女という言葉が似合う感じの子。名前は千歳舞那ちゃん。
服…、ええっと…何枚着てるっけ…。
「…ヒートテックと、スパッツと…体操服と…ジャージ…とコート…5枚…?」
指を折り曲げながら数え答えを導き出
すと、「着過ぎです」とまた怒られた。
「…だって寒い」
「先輩は南国暮らしだったんですか。走って5枚着てまだ寒いって寒がりすぎでしょ…。動きにくくないんですかそんなに着て」
「そこは気にならない」
下は寒いの我慢してそんな穿いてないから足は普通に動かせる。
誰か褒めて。俺凄ぇ耐えてる。足凍りそうなの耐えて頑張ってる。
「…室内で動きてぇ」
「残念、第1、第2両方とも他の部活が使ってます」
「…じゃあストーブ欲しい」
「無茶言わないでください。ほらこれで我慢してください」
「ひにゃ…っ?」
頬にぺとりと何かを貼り付けられる。
そこから程よい感じの温もりが伝わってくる。
カイロ良いかも。買おうかなカイロ。
「ん…ぬきぃ…全身に欲しい」
「火傷しますよ」
「…あー…まだ駄目」
カイロが舞那ちゃんのポケットに戻っていくのを阻止し、舞那ちゃんの手を掴んで固定させてカイロに擦り寄る。
この寒い中これは駄目だ。離せない。
「せんぱーい…私のカイロが冷めてしまいます」
「…冷めるまでこうしたい」
「そんなー…」
温いこいつと寒いのが悪い。俺は悪くない。
「もう先輩ー…、そんなに寒いなら走ってきたらどうですか」
「…風冷たい凍る」
「凍りませんって」
「……凍る」
走少しはそりゃあ温かくなるけど寒いのには変わりない。風がぶつかってくるとまじで凍ってもおかしくないくらいに寒い。
俺は物理的に体を温もらせる方が合ってる。
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