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「今日から三者面談が始まりますが皆さん逃げないように。特に吉柳君」
「へぁ?!」
帰りのS.H.R.でまだ三者面談が始まってないと言うのに早くも弄られる琉生。…うーん、これは…。何と言うか本番が不安になってくるな。
「来年度からは受験生であることを認識してもらうため現在の状況を包み隠さず親御さんに言うつもりですので」
「じゃあ悪いとこばっかり言うってことですかー?」
「さあ、どうでしょうね。希望校に偏差値が達していれば私からは何も言うことはありませんしね」
にっこりと、きれいな顔にふわりと笑顔を作った涼は「当日のお楽しみと言うことで」と笑顔とは不釣り合いな台詞を吐いた。それにビクリと肩を震わせる琉生。お前はビビりすぎだって。
「…さて、三者面談の話はここまでにして。最後に明日の時間割りですが、変更がありましてーー…」
ーブロロロ…ー
涼が話題を切り替え、時間割りの変更を伝えているのを遮るように遠くから聞こえてきた車の燃費が悪そうな音。その音は段々と近づいてきているのか大きくなっていく。
俺と愁には聞き覚えがあるもの、琉生はつい最近聞いたもの。
「…ルウちゃん面談いつ?」
「この1時間後」
「…もう来たのか?」
「否…まさかそんな…」
音だけで誰が来たか分かるなんて相当だと思う。俺が聞いたことがある中でこの音を出すのは1人の車位だ。でも、どう見たって時間は面談の時間よりは早くて、と言うか早すぎる位で。多分他の人の車だろうと、その車の所有者を頭にちらつかせながらもそう思うことにした。例えエンジンの音が学校の直ぐ傍で聞こえなくなったのだとしても。
S.H.R.が終わって、皆が帰る用意をし始めた頃。そんな希望も込められた可能性は0ゼロと化した。
カツカツと軽快な革靴で地面を叩く音が俺の教室に近づいてきて、ガラリと教室は躊躇なく開けられた。
「…これ入って良かった?」
着崩したスーツ、ツーカラーの髪の毛。それから胸ポケットに刺さったサングラスに黒いマスク。
その上入った後で入室の許可を取る少し抜けてる所がある男は兄貴以外にいない。
「なぁこれ授業終わってんの?」
「えっ?!!い、いい一応…」
「そ。じゃあ構わねぇな。あんがと~」
近くにいた面識もない生徒に確認を取ってツカツカと教室に入って来た兄貴が迷わず向かったのは俺等の元。よりにもよって今日は、ホストっぽいと太鼓判を押されたグレーのシャツを着ていた。
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