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休憩に、と立ち寄ったカフェだったはずが飲み終わったら涼の家に直行。それはもしかしなくても俺のせい。
「ごめん…」
「何で?」
「…デート、涼悪くないのに」
仕方のないことなのに、俺を優先してそれを中断して。もしかしたら涼が行きたい店まだあったかもしれないのに。
「昴流が気にすることじゃないって。デートなんていつでも行けるでしょ」
「でも」
「昴流は本当『でも』が好きだなぁ…。自分を責めるの止めような」
「んむ…」
俺が言葉を続けようとしたら、手で口を塞がれてしまった。涼は俺のせいではないって言うけれど、俺が気にしてなかったら、もっと言えば涼のとこに行こうって思わなければ見なくて済んだわけで。涼に気を使わすこともなかった。
「…昴流は優しすぎるのが難点かもね」
「……ごめん」
『難点』。そう思わせたってことはやっぱり迷惑は少なからずかけてるってことだ。そう思って謝ると、涼に今度はデコピンをされた。「悪い方に考えてるだろ」と。
「2人きりになれる場所に戻ってきたんだから、我慢せずに言ってごらん?俺が話しかけられるのに嫉妬した?それともそっちを選ぶんじゃないかって不安になった?」
涼の膝の上に座らされ、子供をあやすような手つきで頭を撫でられる。
涼が言うこと多分、2つとも当たってる。不安を感じたってことは、そういうことなんだと思う。
「昴流は自分に自信が無さすぎ」
「ご、ごめん…」
「こんなに健気で可愛い子昴流しかいないって。俺の天使ちゃん」
「天使ちゃん」と俺のことを比喩する涼。涼の言葉を聞いていると、そこに俺が心配しなくても自分の一番は俺だと、そう言っているような愛称に聞こえてくる。
「…でも、その…もしかしたら、俺以外にもそう思える、ひと…」
「……え、それは間接的に元ヤリチンの浮気性は信じれないとか言われてる?」
「え、ち、ちが…っ!」
違う。そうじゃなくて。涼にそう言われてもやっぱり不安にはなってしまって。涼は格好良いから。今日みたいに人が寄ってくるから。もしかしたらその中に好きになる人がいるかもって可能性は0じゃなくて。
"今"涼がこう言ってくれていても未来が、そうであるとは限らない。
そんな風なことを言ったらまた「馬鹿」とデコピンされた。
「そんなこと絶対ないって俺言ってるじゃん先から」
「…う、それは…」
「嫉妬よりも先に不安が来るのは良い子な昴流だからだと思うけど、俺が好きになった相手ってこと、もっと自信持ってもらいたいなぁ…」
俺が中々涼の言葉に頷かないから、涼が困ったような笑みを浮かべだす。俺が納得いくような、言葉を探しているように見える。
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