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「も、ぉ…っ涼…!」
「いてて…」
何度も繰り返されていくうちに恥ずかしさがピークに達して、これ以上は怒ると言う意味を込めて頬を引っ張ると、やっと止めてくれた。
「ごめんごめん」と意地悪したことに対して謝罪する涼の顔に反省の色は見られないが、今回は許してやろう。
「昴流が可愛すぎて我慢できないから挿れるな、もう」
「…ん、」
涼が髪をかきあげて、俺にキスを落とす。俺が頷いたのを合図に涼の手が俺の腰を掴み、涼がゆっくりと腰を進めていく。ひんやりとした涼の手が触れている部分を変に意識してしまう。
この瞬間の緊張感がいつになってもなくならない。どうしてそう思ってしまうのかはわからないけど、何故かドキドキする。これって、俺だけなんだろうか。そんな疑問が頭を過り、涼の方を見ると涼と目が合ってより一層心臓が大きく跳ねた。
「…ん…?どうしたの?痛かった?」
「や…ちが、うんだけど…」
「んー…?」
パッと目を離してしまって涼が不思議そうに首を傾げる。タイミングが良かったし涼は緊張したりしないのかと聞いてみた。
「緊張…?」
「お、れが…りょうの、入るとき緊張する…」
「…嗚呼、してるな。昴流いつも手握りしめてるんだもんなぁ…ふふ、かわい」
「えっ」
嘘。それは知らなかった。え、俺そんな分かりやすいことしてたんだ。癖って怖い。
「俺は緊張しないかなぁ。昴流の緊張感は注射に身構えてしまうのと近いのかもね。本能的な、さ」
「んー?」
そう言われてみればそうかもしれないし、違うような…自分でも良くわからない。けど、まぁ一理あるのかな。自分の体に他者のものを取り入れるわけだし、それを体が意識して身構えてしまう。その説でいけば、確かに涼が緊張する必要なんてないんだけれど、うーん、なんかなぁ。もっと違うのもある気がする。
「気持ち的なもので言えば……、"期待"」
「…期待?」
「まぁ、俺の願望でもあるかな。この先のことを想像して体に力が入って、緊張に近い状態になる…とか」
「あーー…」
そう、かも。それだ。
涼の言うことは多分間違いなんかじゃなくて、そこには期待している部分もあったんだと思う。
涼とするから幸せな行為。涼の愛を一杯に感じられる行為。これからするのはそれだと体は覚えていて、だからこの瞬間、今からやるんだって実感する挿れる時が一番意識してしまうんだ。
嗚呼、なんだ。そう言うことだったんだ。分かってモヤモヤが晴れた。
…でも、じゃあ、涼は?涼は緊張にも近いそれを感じないのはどうして?そりゃあ感じ方は人それぞれだけれど、意識されてないのなら、それはそれで寂しく感じる。
「りょ、は…期待してんの?」
「俺?俺は、そうだなぁ…。期待とか、緊張とか、そういうのはあまり感じてない」
「…そう、」
「でもさ、すげぇ幸せだとは思うかな。こんな風に心が通って、求められて。その中でしたことなんて昴流以外になかったから余計に」
涼の返答に少し残念に思ったが、その続きにそんな気持ち直ぐに吹っ飛んだ。我ながら単純な奴だ。
涼も、この瞬間に俺と同じで何か思うことがあったのだと思うと、この時間を共有していることが凄く意味あるものに思えた。
セックスって行為が言葉の通りただヤって終わりなんじゃなくて、互いの気持ちを共有する時間でもあるんだって改めて知った。
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