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「でもあの先生がなぁ…。ヤリチンってこと?」
「…否、ルウちゃん以外に手を出してるってのは聞いてないですまだ」
俺が手を出されたということが聞き流されて終わる…ということにはならず、話はそこに戻った。
俺も最初はそうなんだろうかって思った。当然の反応だと思う。
教師じゃなくても、あんま話してない奴に押し倒されたらそういう路線を疑うだろ…?普通。
「ヤリチンではないのか。…じゃあ昴流のフェロモンに引き寄せられたとか…」
ど う し て そ う な っ た。
兄貴、ちょっと待って。兄貴は思考回路がぶっ飛んでる。
どうして『ヤリチンじゃないならこう言うことだろ』ってさも当たり前な流れみたいに言うのさ。対同性用のフェロモンって何?!
兄貴は俺をどうしたいんだろう。
「まあ、これは冗談で」
冗談かよ。冗談で良かった。
「結局のところどうなの?」
「…んあ?」
麺を啜っていると兄貴に話を振られ、箸を止める。
何がどうなのか分からなくて首を傾げると、主語をちゃんと入れて言い直してくれた。
「あの先生がヤリチンでお前をセフレ目的で襲ったかどうかってこと。…もしそうならちょーっと俺頑張っちゃおうかなぁ」
「ぶは、流星さんのちょっとだとあいつ死にます」
「家の昴流をセフレ扱い何て良い度胸してんじゃん?」
黒い笑みを浮かべる兄貴。
それに椿の生死が心配になってしまったのは言うまでもない。
愁の言う通り兄貴のちょっとはちょっとではない。
兄貴も今は社会人だけど昔は俺達みたいな感じで、唇の傷跡がその証拠。刃物で切られたっていってたと思う。
だから本当は唇の、じゃなくて唇周辺の傷跡って言った方が正しいかもしれないがまあ今はそんなこと良いとして。
そんな俺達と同い年くらいの時の兄貴は良く喧嘩を売ってきた相手を半殺しにしていた…らしい。
それを兄貴は「ちょーっと痛い目に遭わせた方が良いと思ったんだよね」と今のような真っ黒な笑みで話していたことがある。
半殺しをちょっとと言ってしまうような人なんだから…つまりはそう言うことだ。
でもあいつは俺を襲ったのはセフレ目的ではなかったぽかったし…。
良かったな、椿。死なないで済んで。
きっと、兄貴がそうだと俺に確認を取らずに判断すれば印象は急転直下。今すぐにでも学校に乗り込んでいたことだろう。
「…た」
「あ?」
「惚れた、って言われた」
「…ルウちゃん、からかわれてんじゃないの?」
俺も最初はそう思った。
男相手に何の冗談だって。
「…だけど目がマジだったし、餓鬼に冗談で告るわけねぇだろ、みたいな事言われた」
それにうざい位に愛の言葉を耳元で囁かれたら、なあ?
嫌でも俺が好きなんだって認めざるを得ない。
「…多分手を出すのが早いだけでヤリチンではないと思う」
自信をもって言うことは出来ないけど。
なんかそんな気がする。
…んあれ、これフォロー出来てるようで出来てない?
でも俺本当のこと言ってるだけだから。
「1週間せぬ間に最後までされてそうだねぇ…」
ゲーム感覚でお前は言っているだろうが笑い事じゃねぇよ。
告られた翌日からお前が居ないときに会えば毎回毎回セクハラされてるわ。
嫌だって言ってんのに止めてくれねぇし…。
マジでそうなりそうで仕方ないんだけど。
「お前は先生の事好きなの?」
「…いや、好きじゃねぇけど…」
俺に向けてくれた優しい目とか、俺を守りたいっていってくれたあいつは悪くないかも、って思ったけど別に好きと言うわけではないので兄貴の質問に首を振った。
あれは、信じていいかもって思っただけだ。あいつに対しての苦手意識が消えた訳じゃないし、ほんの少し好感度が上がったとは言え嫌いじゃなくなったって意味ではない。
「なら最後までされることはねぇんじゃねぇの?」
「何で」
「だって自分が惚れていても相手が自分の事を好きでいてくれないのに最後までするってことは悪く転んでレイプ、良く転んでもセフレ止まりだろ?…惚れてるやつにレイプみたいな事はしたくないだろうし、セフレ止まりになるのを望むはずがない。だから大丈夫」
…確かに、それもそうかもしれない。
俺に告った時、ヤろうと思えば最後まで出来てたはずなのにやってこなかったし。
いつもは馬鹿みたいなこと言う癖にこう言う所は冷静だ。
…大丈夫、なんだろうか?
「ま、それに食われそうになったらチンコ蹴って逃げりゃあ良い話だろ」
「えげつなー…」
「……笑って言うところがまた、な」
兄貴は俺にもしもの時の逃げ方を教えたつもりでいるんだろうが、男の大事なところを蹴れば良いと黒笑する兄貴は俺が知っている限りじゃあ一番に腹黒い人間だと思う。
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