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抵抗してもしきれない。幾らもがこうがこいつらの手から逃れることは出来なくて服の中へ潜った手によって胸を弄られる。
嫌なのに、行為を覚えてしまった体は涼を裏切りたくない。そんな気持ちがあっても反応してしまい、声が出る。
そんな自分が1番嫌だった。
「聞いた通りの淫乱じゃねえか」
「…うぁ、んっぅ、く…、」
くにくにと俺の乳首を捏ねながら笑う目の前の男。
淫乱って言われて否定出来ない自分。
前は温もりが欲しくて、股を開いて。今は気持ちとは裏腹に感じてる。
触り方は全然違う。涼とも、愁とも。初めて感じる、知らない奴からの愛撫。
それでも、そんな奴相手にも感じてしまう体。淫乱、そう言われても何の矛盾点もない。
それが悔しくて、悔しくて。下唇を噛んで、声を出さない様に頑張った。
前の俺なら、感じたくないって思わなかった。
だってこれは暴力で、喘ぎ声も、呻き声もそう変わらない。
この行為が暴力であっても受け入れたくないってだけじゃなくて感じたくないとも思えるのはそれ程涼の存在が気付かぬ間に大きくなってしまったせいなんだろう。
「おいおい、声抑えちゃってどうしたんだよビッチちゃーん」
「ん、ぅ゛…」
男が、、胸を弄るのを止め噛んでいた下唇を撫でてきた。
俺の口を無理矢理こじ開け、そして指を突っ込んでくる。
「…い゛?!」
手も足も使えない俺が出来る抵抗。そいつの指を思いっ切り噛んでやった。
離れていく指。俺が噛んだ所を押さえるその男を鋭く睨んだ。
「…て、めぇ…!」
「が、ァ…っ」
それに激情したそいつが俺の腹に蹴りを入れてきた。
良いとこに当たって湧き上がってくる吐き気を喉の辺りで抑える。
けほ、と咳込んで男を睨むのとほぼ同時に、そいつに愁に結ってもらった髪を思いっきり引っ張られ、ボロボロとピンが床に落ちて行く。
「気に食わねえんだよなァ…、お前のその人を見下したような態度っつーのォ…?」
「あ゛?」
見下してなんかない。
と言うかこの状況でお前等を見下すなんて行為、よっぽどお前等が馬鹿じゃねぇとしねぇよ。
「お前の方が"落ちこぼれ"の癖して調子乗ってんじゃねぇよ…!!」
男が怒鳴る。
その言葉に隠された意味が嫌な位に理解出来た。
"落ちこぼれ"と言った男の声が俺が"桜木"だと知った人間がする見下したソレだったから。
何でこいつがそれを…俺が"桜木"だと知っているのかは知らない。
だけどそんな事がどうでも良くなる位に、男の言葉が理解出来た瞬間俺の頭の中は嫌な記憶で埋め尽くされた。
「っ嗚呼…糞ゆっくりやるつもりだったが予定変更だ。お前等もヤれ。さっさと済ますぞ」
「おー」
「ひゃ、あ…っん、ふぁ…」
ベロリと耳を隣で俺の体を押さえてた奴に舐められた。
涼と繋がって、"熱い"のを知った俺の体はその寒さがいつも以上に寒く感じた。
そして、それと同時に嫌だと思っていた筈のこいつらに触られることがそこまで嫌じゃなくなって。温かいとさえも思った。
結局俺は今までと何も変わっていない。
涼じゃなくても俺は誰でも良いんだ。
"俺"を見てもらえるならそれで。
どんなに俺の意思で嫌だと思っても、寒さを感じてしまったらそんな意思は簡単に崩れ落ちていく。
俺の意思は弱い。直ぐに目の前に温もりがあればそれに縋っちまう。
あの時のあいつも、こいつも。皆が言うように俺はどうしようもない淫乱で。
その事実に、罪悪感で胸が押し潰されそうになった。
裏切りたくないとか言っておいて、最終的には「淫乱ではない」と言ってくれた涼を裏切った。
「ごめ…なさ…ッ、りょ…ぁ」
ーこんな俺が涼に愛される資格なんて無かったんだー
何故か寒さは紛れるのに、男の手が触れる度に心の穴が大きくなっていくのを感じながら俺はただ、ただ涼への謝罪を繰り返した。
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