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「…凄ぇ数のキスマークだな。…悪魔の女って噂はマジだったのか?」
「ち、がう…!!!」
男が俺の服をめくる。
そこに現れた肌に散りばめられた沢山の赤い痕。
消えそうになる度に、涼に付けてもらったソレ。
涼の存在を知っている筈もないセクハラ男は、それを愁が付けたものだと勘違いする。
否定しても聞いてくれることはなくて、…否実際はそれを付けた相手なんてどうでも良かったんだろう。この行為には無関係だから。
そいつは、その痕の上から「お前を愛してくれる奴なんている訳ないだろ」と嘲笑う様に嚙みついてきて、涼に付けてもらった痕が上書きされていく。
涼にされたものではないくっきりとした歯形が俺の肌に付いて、また胸が苦しくなった。
涼が、俺が不安にならないようにって付けてくれたキスマーク。
そんな、涼の優しささえも裏切ってしまった気持ちになった。
「…止めろ…嫌だ…ッ、嫌…!!」
また1個、そしてまた1個と男に上から噛み痕を付けられていく。
その痕が増えていく度に涼の思いを踏みにじってしまったような思いが強くなっていった。
こんな俺が涼に愛される資格なんて無い所か、涼に嫌われていくみたいで。
それが嫌で、必死に抵抗した。
資格がないけど嫌われたくない。
本当俺は嫌になる位に自分勝手な奴だ。
分かっていても、嫌われてしまうと言う恐怖から抵抗せずにはいられなかった。
だけど数人がかりで拘束された俺と俺1人の抵抗。
急に俺の力が強くなるなんて超常現象がある筈もなくて、"俺"を消すように穴がどんどん大きくなっていく。
最後の1個。
それに男の唇がぶつかる。
そして、そいつの歯が肌に触れたその刹那ーー…、
「はいそこまで。お前ら強制わいせつ罪は覚悟しとけよ」
どこからか現れた相変わらずなポーカーフェイスな幸仁さんが男の頭を鷲掴みにし、俺から引き剥がした。
最後の1個、そこからズキズキと痛みが走るのを感じ、幸仁さんが来てくれた安心とか、涼への罪悪感とか、絶望感だとか。色んなのが混ざってぽろぽろと涙が零れ落ちた。
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