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「昴流」
「何ーー、…っ」
涼に呼ばれ、そちらを向けば冷たい目をしていて思わず息を呑んだ。
怒ってんのが嫌なくらいに伝わってきて、自然と唇が少しだけ震えながらも動いていた。
「ごめん、なさい…ッ」
「何が?」
「…っ」
突き放すように言った涼の声はとても冷たいものだった。
これ、凄く怒ってる。
…そうさせたのは、他でもない。俺だ。
「喧嘩、してごめん、なさい…」
「本当そうだよな。…急に学校に電話が入ったかと思ったらお前が死にかけてるって聞かされた俺の気持ち分かる?」
「あぐ…っ、ごめん、なさ…、」
「次同じ真似してみろ。俺がなんでも許すと思ったら大間違いだからな」
ぐいっ、と痛いくらいに髪の毛を引っ張られる。
顔を近づけ、俺を見据えるその目は冷たさの他に威圧感もあり、体が強張った。
少しだけ、涼が別人のように見えて怖いとも思った。
「も、しない…っ」
「本当に?」
「しないっ、しねぇから、ぁむ…ん…っ」
涼が俺が聞こえるか聞こえないか、そのくらいの小ささでクスッと笑うと俺に口づけてきた。
触れるだけでも涼の熱が伝わってきたそれの後、俺に見せた表情にはもう冷たさなんて無くなっており、俺の好きな優しいものに戻っていた。
「もう少し反省させるつもりだったのに泣きそうな顔されちゃあ出来ねぇな」
「っん…、」
「次はないからな?」
涼の大きな手に包まれながら俺はこれでもかと言うくらいに大きく首を縦に動かした。
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