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俺は左目を抑え、「クソっ…!」と吐き出してテーブルに拳を叩きつけた。
「そうか……そういうことか。また俺は……弱さ故に人を傷付けてしまったのか!」
「は?」
「この悪しき左目の呪い……抑えることが出来ない自分が情けないっ」
「えと……ツル?」
「そうだな、確かに彼を傷付けてしまったのはこの俺だ。罰を受けなければならないのは俺なんだ……」
「お前なに言ってんの?」
「さぁ!忌まわしきこの身に罰を!!」
「……えぇー……」
さぁ来いと言わんばかりに両手を広げて悪魔様を見据えた。
もう覚悟はとうにできている。この身に生を受けたときから悟っていたことだ。
俺は人を傷付ける。
故にその罰を一生受け続ける運命なのだ。
大人しく受け入れ体勢に入っている俺を見て、悪魔様やトラその他大勢はなぜか白けた目を向けていた。
むむ、なぜだ。なぜ何もしてこない?
「何をグズグズしている!さぁ、ちょっと強めのデコピンでもすればいい!」
「大口叩いた割に罰ちっせぇな」
「それ以上はちょっと勘弁!」
「なんなのお前……」
だってやっぱり痛いのは嫌!
覚悟をもって前髪をあげてデコピン待ちをするが、物理的な衝撃はいっこうに来ず。
多くの冷たい視線が俺に一極集中するという精神的攻撃に耐えていた。
「……なんの騒ぎ?」
その時、凛とした声が響いた。
反射的にみんながそちらを向き、自然と道が開ける。
その先に、1人の男子生徒が歩いてくるのが見えた。
「……わ、」
彼を見て、思わず声がもれた。
Z組に似つかわしくない、気品ある雰囲気の綺麗な男の子だ。
「男の子」と言ったのは、彼は背は低めでどちらかというと可愛い系だからだ。いわゆる「ネコ」側の人間かなぁ、と。
……俺もついにこっちの変な知識で判断してしまうまでになってしまった。やだやだ。
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