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放課後、俺は購買に来ていた。
大量のコッペパン消費のためにジャムを買いに来たのだ。俺は基本的に米派なので買っていなかったから。
ここの購買はこんなにも品揃え価格共に優良なのに、いつ来ても生徒はあまり見かけない。
自炊している生徒は少なさそうだ。
まぁ俺としては安心して買いに来れるからありがたいところだ。レジのヤーさんは怖いが。
カゴを持ち活気のない売り場をウロウロして目当ての品物を探す。
スーパーでの買い物って結構好きだな。特にここは珍しいものとかが売ってたりして面白い。俺って主夫に向いてるかもしれない。
そんなことを思いながら歩いていると、お菓子売り場の棚の所で見覚えのある後ろ姿が目に入った。
お菓子を物色してカゴの中に次々と商品を投入している。後ろ姿からしてヤンキーな雰囲気を醸し出している人間がお菓子を選んでいる様はなかなかにシュールだ。普通のスーパーでやったら子供が泣くぞ。
出来れば接触しないで去りたいが、なんとなく何を買うのか気になってそっと近付く。
チラッと見たらそのまま去るつもりだったが、そのカゴの中身が見えたとき、思わず声を出してしまった。
「なにそれ酒盛りでもするつもり?」
「うわっ、望月?」
びっくりしたように振り返る川島。
その手元のカゴには、スルメやバタピー、ビーフジャーキー等々……酒のつまみなるものが大量に投入されていた。
お前の嗜好にびっくりだよ。マジで酒盛り?
疑いの目を向けるも、「何言ってんの未成年だから酒飲めねーよ」と正論で返された。意外と常識人かよ。
お酒なんて普通に飲んでるかと思っていたが、法律は守るらしい。
ちょっと見直したものの、次の言葉に衝撃を受けた。
「今日の晩メシ」
「は?」
いやいや待て待て。晩メシだと?
どう見てもおつまみとして商品化されているものを主食にしているのかこいつは?パッケージよく見ろ酒のイラスト描いてあるぞ。
呆気にとられる俺に気付かず、川島はどんどん商品を入れていく。
黙って見ていられなくなって、ついその手を止めた。
川島が不審げに眉を寄せて俺を見る。
「あ?なに」
「お前それ塩分過多だよ」
「あーそうか?まぁ良くね?」
「うわぁ、生活習慣病……」
「……嫌な言い方すんな」
うげぇと嫌悪を露わに言うと、川島が顔を引きつらせた。
川島の体を上から下まで流し見て、その顔に戻ってじっと観察してみる。
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