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(黒崎side)
毎日飽きもせずチャイムと同時に食堂へとスタートダッシュする生徒を見届け、午前の授業を終えた俺も職員室へと向かう。
今日はどこのバカが言い出したのか知らんが終了5分前からクラウチングスタートで構えるバカが5、6人ほどいたのであらかじめドアに棒引っ掛けてすぐに開かないようにしてやった。
見事に正面衝突して遅れを取ったあいつらにもう席はないだろう。
「わー、みっちゃんすごい悪どい顔してる〜」
「……みっちゃんて呼ぶのやめて下さいって何度言ったら分かるんですか」
ひょこっと横から顔を出してきたのは、2年担任の有野先生。
男のくせにきゃぴきゃぴしているこの人はあまり得意ではない。
「みっちゃんの今日のお昼ご飯はのり弁でしょ!」
「牛丼ですよ。なんの根拠があってのり弁なんですか。つーか話聞いてます?」
「僕の今日のランチはサンドウィッチなんだよ〜いいでしょー」
「……」
ダメだ。全く会話が成り立たない。
こちらに赴任してからずっとこうだからもう慣れてはいるが。
事務的な会話なら成り立つが、雑談になると見事に振り回されまくる。ので、真面目に相手をしないのが正解だ。
テキトーに話を受け流しつつ職員室へ入ると、デスクの上で三点倒立をしている大木先生がいた。
「……」
「あはははは!だいちゃんなにそのカッコうける〜」
「お疲れぃ2人とも!最近は逆さ健康法にハマってるんだ!」
「危ないですからやめて下さい」
職員室に戻っても俺に落ち着ける時間はない。
この2人は生徒に負けず劣らず問題児だ。生徒に加え先生の世話もしなければならないのはかなり疲れる。
体育教師らしく華麗にデスクから飛び降りた大木先生とそれに大爆笑している有野先生を横目に、自席について途中購買で買った牛丼を取り出す。
レンジで温めようと思っていたがやかましい2人を見て疲れてしまった。もう面倒だからこのままでいいか。
引き出しにストックしてある割り箸を出し、牛丼のラップをベリベリ剥がしていると、有野先生の甲高い声に止められた。
「待って待ってみっちゃん!みんなでいただきますしなきゃ!」
「まったく食いしん坊だなァ黒崎先生は!」
「……」
心底ほっといてほしい。
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