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After Story 1
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「え、体育祭終わったのにまだ行事あるの?」
「修学旅行の準備と文化祭の準備やろ?」
「あー、なるほど。面倒くさ」
「梁瀬、お前……なんでこの学校来たん?ってかそれくらい普通やろ。」
「だって、そろそろ本格的な予選始まるだろ?忙しいじゃん。」
体育祭も終わった6月某日。
体育の授業中、暇になった時間に久夜と話したのは今後の予定。
今朝のHRで午後の授業で修学旅行の班決めをするというお知らせがあって。
体育祭が終わってテストも終わったばっかなのに忙しい学校だな、って言う感想しか俺は抱かない。
……いや、行事が嫌いなわけじゃないけど、これから部活も忙しくなるのに、夏なんて文化祭の準備もあると思うと、もう本当に面倒くさい。
「まぁそんなこと言うなや、もう予選は始まってるんやし。」
「そうだけど……」
5月の終わりから始まった予選、最初の方はさすがに負けたりはしない。
だけど、これからどんどん敵も強くなっていくわけで…7月なんてうまくいけば決勝リーグ中なわけで。
俺が試合にでるわけじゃないけど、何となく1つに集中したいと思ってしまう。
「久夜!!交代、もう無理~」
「なんや、お前らバテるん早いわ!もう少し頑張れ。俺、今梁瀬と話してるん。」
「いや、一応授業中なんだからさ…。それに久夜バスケ、好きだろ??」
「それとこれとは話が別や。それに、篤人とかいるんやろ??」
「お前、3組に誰いるとか知らないのかよ!?」
「3組のバスケ部??あー、麗か。あいつうまいもんな~」
「そんな他人事な…負けてもいいのかよ。」
「たかが授業のバスケやで?それに麗やったら、そこで漣が頑張ってくれとるやん。」
体育の授業は2クラス合同で、今は3組とバスケ対決中。
2試合同時並行で、5人入ればいいので、皆で入れ替わりを繰り返しながら試合をしてる。
3組にいる芝宮麗(れい)君は、久夜と同じ推薦組で、バスケがうまい。
3組は他にもバスケ上手い人が何人かいて、こっちのクラスにも都賀とかいるけど、点数的には負けてる。
俺も勝敗には興味ないから、見てるだけだけど。
いやいや言いながらも、久夜は結局引っ張られて行って、楽しそうに試合を始めた。
「お前ら、本当仲いいよな~」
「あれ、真崎くん。バスケはもういいの?」
「久夜と交代。俺本職サッカーだから。」
さっきまでコートにいた真崎君が戻ってきて、隣に座る。
サッカー部の真崎漣(れん)君とは、体育祭の後に谷地島経由でちょっとしゃべるようになった。
それで、体育の時とかに暇になると話しかけてくれる、優しい人。
「本職サッカーって…」
「あれ、漣。芝宮との対決はもういいの?」
「おう、海翔。俺じゃ麗には勝てねーしな。久夜入ったしいいかなって、抜けてきた。」
「そう。俺も混ぜて。」
途中から谷地島も入れて、3人で話す。
いつもここに、久夜がいるから、3人は初めてかもしれない…
「ってかさ、ずっと気になってたんだけど、廣川と久夜って付き合ってんの??」
「えっ!?なんで!?」
唐突な真崎君の質問に、何も言えなくなる。
……分かりやすいのかな…!?
「いや、だってずっと一緒にいるよね?
仲いいなーって前々から思ってたんだけどさ、最近やけに距離ちけーなって思ったから。」
「俺も気になるかも。」
「谷地島まで…」
確かに、俺と久夜はつい2週間くらい前に付き合いだした。
…でもそれは彼方以外には言ってない。
彼方には一応伝えた。
微妙な反応だったけど、認めてはくれたらしい。
多分応援もしてくれたんだと思う。……多分。
「付き合ってるように見える??」
「見える。」
「即答…」
男子校なだけあって、わりと男同士で付き合ってる人がいるっていうのはよく聞く。
けど、実際自分がそうなると、なんとも言いづらい。
だって、男と付き合ってます、なんて普通の感覚からしたらおかしいわけで…
「別にさ、付き合ってたってひかねーよ。誰に言うつもりもないし。
ほんとただの興味本位。
ってか絶対、クラスのやつら全員が気になってると思う。」
「そ、そんなに??」
「廣川は無自覚なんだね。」
…無自覚と言われても…。
言っていいのかな…谷地島は悪いやつじゃないし、むしろいいやつだし、信用できるけど…
久夜に何も言わずに人に言うのもな…
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