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「テスト結果って全員分張り出されるんやな~知らんかった。」
「いや、…まさかこんな風に張り出されるとか思わないでしょ。」
テストが終わった次の週の朝には、結果が生徒玄関に張り出されていた。
テスト自体が返されるのは今日と明日だけど、合計点数はもうでてる。一覧になって。
約350人分の縦書きの名前が横一列でずらーっと並んで、それが3学年分。
四方を文字で囲まれてる気分だ。
朝から何人もの人が足を止めて、わいわいしながら順位を見ていた。
「それにしても、氷野はほんま凄いんやな。」
「え、それ久夜が言う?」
1学年と書かれたその隣に、
『1位 氷野彼方 8組・陸上部 697点』と書かれている。
9教科700点満点のテストで697点ってなに。
どうゆう勉強の仕方すればそんな点数とれるの。
凄いんやな、と言うわりに久夜の名前も9位のところに書いてある。しかも654点。
お前も十分凄いわ!!!!
俺は無難に80番台に名前があった。ギリギリ二桁。
物理と数学が足を引っ張ったに違いない。
「ははっ、まぁこんなもんやろ。
梁瀬、ちょいこっち来てみ。」
「なに?」
笑いながら1年の貼り紙の前を離れた久夜は、違う学年の貼り紙の前で俺に手招きをした。
行ってみれば、それは3年生の結果で。
「………久夜。3年生ってこんなハイレベルな争いしてるの…?」
「衿夜先輩が賢いんは知ってたけど、バスケ部自体がこんなに賢いんは知らんかったわ。」
久夜は笑いながら言うけど、全然笑い事じゃない。
1位は橘木先輩だった。それも驚異の800点満点。
それだけでも十分衝撃的なのに、2位は八草先輩で。その点数は799点だった。
それだけじゃない。4位に京介先輩がいて、10位に八尋先輩。15位以内にバスケ部の先輩が8人もいたことに驚かされた。
………恐ろしすぎる。
あんなにハードな内容の部活を朝と夕方して、どこにそんなに勉強する時間あるんですか!?!?
上位に名を連ねてる3年生は他にもサッカー部とかバレー部とか、とにかく運動部が多かった。
本当怖い……
「俺、もう少し勉強しないとダメかな…でも今回真面目にやったつもりなんだけど。」
「まぁテストが返ってこんことには、どうしようもないな。今日物理も返ってくるし、返ってきたら復習すればええねん。」
教室に向かいながら、会話はテストの話。
しょうがない。と言えばしょうがない。
…だからちょっと頑張って違う話を振ってみる。
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