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2日後…
「早く着きすぎたかな…」
待ちに待った、久夜とのデートの日。
楽しみすぎて、今日は早く起きてしまった。
待ち合わせ時間は10時だけど、まだ9時と言う…。
完全に早く着きすぎてしまった。
平日といえど、世間の学生は夏休み中ということもあり、駅前は小学生から大学生くらいの人が多い。
1時間突っ立ってるのもアレだから、カフェにでも入ろうとも思ったんだけど、そこかしこ、リア充の皆様がカップルでカフェに入っていくものだから、俺は立ってることに決めた。
あんな中、1人で入れるほど、俺の心臓は強くない。
まぁそんなこんなで、携帯をいじって過ごした1時間。
俺を褒めてほしい。
約束の時間の少し前に、久夜が歩いてくるのが見えた。
…、待って。かっこよすぎるんだけど。
「梁瀬の方が早かったん。待たせた?」
「…」
「やーなーせー??聞いとる?」
「あ、うん。なに?」
「なんでもない。待たせて悪かった。」
「いや、全然!俺が早く来ただけだから!行こ!」
…久夜がイケメンだったのを忘れてた。
ずっと一緒にいると、かっこいいなとは思っても、慣れてきちゃうもので。
今日の久夜の格好は紺色のクロップドパンツに、白のTシャツ、七分丈のデニムシャツっていうシンプルだけどめっちゃオシャレ。
よく考えたら、久夜の私服をみるのも初めてかもしれない。
いつも制服か練習着か体操着だし…
俺も似たような恰好をしてるけど、こうまで違うものなのか。
…恐るべしイケメン。
駅前でもすれ違う人がみんな振り返って久夜を見てた。
…隣にいるのが俺でごめんなさい、って思うけど、かっこいいだろって自慢したいとも思う。
待ち合わせは、学校の最寄り駅で、そこから電車で1時間、歩いて15分くらいのところに水族館はある。
電車は混んでるでも、空いてるわけでもなく、俺たちはドアの近くに立った。
「梁瀬の私服見るん初めてやけど、かっこええな。」
「え、それお前が言うの?」
「ん?どゆこと?」
電車にのってもなお、乗客がチラチラと久夜を見ているというのに…
本当に気づいてないのか、知らないふりをしているのかは知らないが、そのイケメンさで俺を誉めないでほしい。
「そういや、今日1回帰る?よな。着替えとかないし。」
「あ、考えてなかった。うん。1回帰る。久夜もくる?」
「ええの?」
「準備はしてあるだけだからすぐ終わると思うけど…
あ、面倒だったら先帰っててもいいよ?」
「ちゃうねん。梁瀬ん家行くん初めてやろ?楽しみやなって。」
「俺の家は普通だからな。普通。」
久夜ん家と比べられてはとても太刀打ちできない。
あんな立派な家がどこにでも立ってると思われては困る。
電車で1時間、と言うものは、喋ってると意外と早いもので。
気がつけば目的の駅についた。
海が近くにあるからか、海の匂いがすごい。
今日は海には行かないけど、いつか一緒に行きたい。
「今度は海行こうか。」
「え?」
「今日は行かへんやろ?梁瀬とならどこ行ってもええって言ったやん。梁瀬と色んな所行きたいって思うてん。」
「あ、そうゆうことだったんだ……」
色んな所に、一緒に……久夜も同じこと思ってくれてたとか。……嬉しい。
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