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「っ!え、なに…?」
「ん?キスマークつけたん。梁瀬肌白いん、よく映えるなぁ」
首元から鎖骨まで降りてきたキスの嵐。
その鎖骨辺りにチクッとした痛みが走る。
自分では見れないから、どんな風になってるか分からないけど…
俺も後でつけたい…。
「久夜も白いくせに…、っ、あっ、それやだっ!!」
「あー…ごめんな。やっぱ怖い?…やめる?」
…条件反射、というやつなのだろうか。
乳首に触れた久夜の手を思い切り払ってしまった。
内心では平気だと思っても、体は覚えてるのかもしれない。
されてよかったこと、嫌だったこと。
乳首を触れるのはセックスの中で一番と言っていいほど嫌いだった。
…そこで感じてしまう自分も嫌いだった。
久夜は手を止めると俺の目を真っすぐ見つめてきて。
心配そうな瞳に見つめられて、一瞬息が詰まる。
…違う、こんな顔をさせたいんじゃない。
過去の事情を知ってる久夜だからこそ、気を使ってくれてるのがわかる。
優しい久夜だから…
けど、違う…
「ごめん…大丈夫、だから……やめないで。俺、大丈夫だから…」
怖くない。だって、目の前にいるのは久夜なんだ。
あの時とは違う。
久夜の顔を引き寄せてキスをする。
やわらかい唇。大好きな久夜。
大好きな人とするセックスだから、怖いなんてあるはずない。
…大丈夫。怖くない。怖いわけ、ない。
「無理せんでええから。泣かんで。」
「え、」
頬に久夜の手が添えられて、伝った涙を久夜がペロリとなめとった。
…なんで、泣いてるの。俺。
悲しいことなんてないはずなのに。
久夜と前に進めて、嬉しいはずなのに。
どうして…
「怖いなら、怖いって言って?無理させたくないねん。
梁瀬にとってあんまいい思い出ないやろ?」
「大丈夫…、だって、俺、久夜が好きだから…」
好きな相手とするセックスはきっと幸せなんだと思ってた。
彼方が好きでも、辛かったあの時とは違って、本当に心から俺を想ってくれて、俺も大好きで、俺がシたいって思って。
不安なことなんてないって思ってた。
「…俺も好きやで。愛しとる。」
「んっ…ふぁっ…、ぁ…っん……」
キスはこんなに気持ちいのに。満たされていくのに。
どうして俺の涙は止まらないんだろう…
久夜、好き。
好きで好きで、どうしようもないくらい好きなのに。
「梁瀬、大丈夫やから。なっ?」
ギュッと抱きしめられて、頭をポンポンされる。
俺は、俺は………
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