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「俺と一緒に居ればええやん。俺が傍にいてやるから。梁瀬が怖がる必要なんかない。」
「……なんで久夜は、そんなに俺に優しいの…」
「……んー、今は教えない。そのうちな。」
「なにそれ。」
久夜は俺に優しいから…いや、きっと誰にでも優しいんだろうけど、その優しさに俺は甘えてしまう。
ほっとく、なんて久夜の選択肢にはきっとないんだろうから。
だから俺はそんな久夜の優しさを利用してる。
自分のために他人を利用する最低な奴。
……いや、そんなのもう、今さらだな。
なんだか、落ち着いてきて、改めて見ると久夜に抱きしめられてる状況って変だよな…
「ふふっ…ははっ…はははっ…!!!!」
「なんや、梁瀬。さっきまであんな泣いとったやつが人の顔見るなりいきなり笑いやがって…。」
「わ、悪い……ただ、この状況、面白すぎて…!!
ははっ…!!」
「…まぁええか。元気になるんはええことやしな。」
久夜の腕から解放されて、部室のベンチに隣り合って座った。
なんか、変な感じ。…何て言うか、むず痒い…みたいな。
久夜には嫌なとこ見せたからかな、俺が緊張してるのかも。
「あと、5分…、かぁ。そろそろ戻らんと授業でれんくなってまうな。」
「今朝も思ったけど、久夜って真面目だよな。」
「俺な、スポーツ推薦でここに来とるんよ。せやからな、授業真面目に受けんとあかんねん。」
「なるほど。大変なんだな、お前も。」
「まぁ多少な。でも、そうでもないで。楽しいこともいっぱいやしな。」
スポーツ推薦って、バスケの推薦で来たってことだよな??
久夜ってそんなに凄いんだ…
仮入部の段階じゃ1年生はバスケしてなかったし、昨日は完全に別行動してたから何してたか知らないし。
いつになったら久夜がバスケしてるとこ見れるんだろう。
きっと久夜は自分のすること全部を楽しんでて、でも家庭が複雑で、こんな俺も受け入れてくれる。
……そう考えると、久夜って本当に完璧なやつだな。
俺が一緒にいるやつってなんで皆完璧なんだろ。
彼方といい、久夜といい。
だから、俺は甘えちゃうんだよな……って、人のせいにするのはよくないか。
なんとか授業に間に合って、真面目に授業を受ける。
午後の授業さえ終われば部活だ。
そっちの方が楽しみで仕方がなかった。
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