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「体育祭?もうそんなの始まるの??だってまだ入学して1ヶ月しか経ってなくね?」
「この学校6月の初っぱなに体育祭があるんやて。せやから時間ないんやろな。」
「だからもう種目決めんの?」
「そうゆうことやろ。」
久夜と喋りながら、黒板に書かれた文字を見る。
そこには体育祭で行われる種目が10種類ちょっと書かれていた。
……棒倒しとかあるんだ。この学校男子しかいないのに、上半身裸の男見て、誰が喜ぶんだろう。
あ、騎馬戦とかもある……
体育祭自体は好きだ。クラスで仲良くなれるきっかけ的なものになってくれるから。
でも、中学の頃は陸部だからとかいってリレーを走らされた…それが結構嫌で、3年の頃は最後だから走ったけど、1、2年の頃は拒否してたんだよな……
まぁ、この学校じゃ、俺が元陸部だって知ってるやついないし、そんな心配もしてないけど。
「久夜、お前何でんの?」
「んー、何がいいんやろな。騎馬戦とかおもろそうやけど。梁瀬は?」
「リレーじゃないやつ。」
「即答かい。」
けらけらと笑う久夜を睨んでから、もう一度黒板を見つめる。
障害物競争とか面白そう。
教室が騒がしくなって、先生がちょっと静かに、なんて注意して。
前に立つ体育祭実行委員が順番に出たい種目を聞いていく。
俺は結局障害物競争と大縄にでることになった。
大縄か棒倒しは必ず片方でなきゃいけないとかなんのいじめかっつーの。
久夜は笑顔で棒倒し選んでたけど。
1人大体2種目にでることにはなる体育祭だけど、種目の出場人数的に三種目出なくちゃいけない人が何人かでてきて、余ったリレー系を走る人を決めるのに手こずっていた。
「色別リレーと、クラス対抗リレーに出てくれる人いませんか?」
前で体育祭実行委員が聞いているけど、誰も出る様子はない。
「やって。どうする?梁瀬。」
「なにが、どうするだよ。」
「やったらどうかなーって。梁瀬も早いんやろ?」
「早くねーよ。第一、50m久夜の方が早かっただろ。」
この間あった体力テストでは、俺より久夜の方が早かった。
まぁ俺もそんなに早い方ではないけれど……ちょっとショックだったり。
決まらないリレーは一人、陸部の男子が走ってくれるらしく、あと色別リレー1人と、クラス対抗を5人。
決まるまで帰れないため、実行委員も困っていた。
「やったら、色別は俺、走ろーか?」
「マジで?羽桜さんきゅー」
「遅くても文句言わんといてな。」
「あぁ!誰も文句言わないって!!」
なんのつもりか、にやーっと笑った久夜がリレーの走者をかってでる。
……その代償は中々に大きかったと、俺はすぐに知る。
「あとな、クラス対抗も走ってええんやけど、それでもあと4人足りないやん?」
「あぁ……そうだな。」
「やったら、この間の体力テストで早いやつ上から4人駆り出せばええんちゃう?」
「………はぁ?おい、久夜何言って…」
「そっか!!それはいいね!!そうしよう!!!」
……マジかよ。久夜のやつ、このために色別リレー引き受けたな…。
目をキラキラ輝かせ、テストの結果を見ていく実行委員。
そりゃ決まっていいだろうな、走らないやつは。
恨みをこめて軽く久夜を叩いてみるけれど、本人は何も気にせずニコニコ笑ってる。
……このやろう。俺の気もしらないで。
「よーしっ、じゃあクラス対抗リレーは、織部君と、羽桜君、それから廣川君と佐山君と都賀君と谷地島君でいいかな?」
「………」
「ええんちゃう?」
もう勝手に言ってろ。
クラス対抗リレーは、やっぱりリレー系なだけあって、体育祭の目玉らしい。
いや、一番は色別リレーとか棒倒し、騎馬戦らしいけど。
でも、それなりに注目されて…学年別で行われて5クラスずつ予選的なのがあって、それぞれの上位3クラス、合わせて6クラスで決勝あらそうみたいな感じらしい。
色別リレーもそんな感じで、ただ縦割りで三学年混合チームで走るみたいな。
基本の種目も三学年混合だから、あんまり変わらない、と思う……
「走りたくないな…」
「そんなこと言わんといて。来週から練習始まるで。」
「分かってるよ。」
分かってるけどさ……嫌なものだってあるんだよ。
無事リレーも決まったから、帰れることになって、みんな部活に向かう。
……切り替えよ、部活は部活だ。
隣でウザいくらいに笑ってる久夜を知らない振りをしながら、体育館に向かった。
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