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「俺、そろそろ行くわ。」
「あー、障害物もうか?こっちで京介先輩と応援しとるから。」
「……あぁ。」
なんか、応援してくれなくても言い気がするけど。
だって障害物競争とか、応援するようなものじゃなくない?
最初のリレーの予選から雰囲気も盛り上がって、午前の部も段々後半になっていく。
「廣川、こっちこっち。」
「あぁ。」
競技自体は大したものではないけど、途中に借り人をしないといけないのが、ちょっとネックだったりする。
……どんな内容が書かれてるのか、とか。
3学年混合で3レース。俺は2レース目。
3レース目は八尋先輩とかの3人の部長と各色の団長がやるらしい。
確かに借り人は盛り上がりそう。
『第1レース、位置について、よーい……』
----パンっ
ハードルを飛び越え、平均台を走り、タイヤを引っ張ってから知識問題。
……若干意味分からないが、問題に正解すると、借り人の条件が書かれた紙が選べる。
実況の人が何か騒いでいて、一番早い人が借り人の条件が書いてある紙を選んでいた。
長いと思っていた1レースは案外早くて、すぐに2レース目が始ろうとしている。
どうしよ……めっちゃ緊張する。
ハードルも中学の時にやってたっちゃやってたけど得意ではなかった。
倒さないように気を着けないと、だよな。
横一列に10人くらいが並んで、ピストルがなるのを待ってる。
この時間が居心地悪すぎて、ちょっと倒れそう。
………早く、始まってほしい。
『第2レース、位置について、よーい……』
----パンっ !
…あーーやり辛い…!!!
一斉に飛び出して、ハードルを飛ぶ。
10人もいると、隣の人と腕がぶつかったりで、走り辛いし飛び辛い。
なんとか平均台も渡ってタイヤも引っ張って、今度は渡された問題を解く。
「………これ、3択問題だったんだ。」
ってか知らねーよ!!
サッカー部の部長の名前なんか知らないだろ……
あー、谷地島に聞いとくんだった。
選択肢は名前をちょっとずつもじってある。
……確率は3分の1…なら、間違ってもっかいやった方が早い。
「えーっと、3!湯浅光輝…?」
「正解です!!次はこれの中から二枚選んでください。」
「……二枚?」
「はい。二人をつれて手をつないでゴールしてください。ゴールで内容を確認します。」
「あ、はい……」
なんとなく光ってる名前だなって思ったらあってたよ……でも俺、二枚なんて聞いてない。
とりあえず適当に二枚選んで中を見てみる。
……簡単なのでありますように…!!!!
「同じ色の、部活の先輩…??と………中、学校が…同じ、ひ…と…………」
…………嘘だろ。
部活の先輩…同じ色なら8人くらいいる。
けど、同じ中学なんて、彼方しかいない。
他にいたとしても、彼方しか知らない。
簡単っちゃ簡単だけど……さいっあく…!!
「とりあえず、席行って先輩探さなきゃ…,」
リレー以外でこんなに走るなんて思わなかった。
ハチマキで赤に染まってる席に行って、先輩を探す。
「新垣先輩!!!ちょっと一緒に来てください!!」
「俺?」
一番目立つのはやっぱり新垣先輩で、その隣に八草先輩と久夜もいたけど、とりあえず新垣先輩についてきてもらう。
……手をつなぐのが本当に恥ずかしかった。
何が恥ずかしかったって、先輩に手を繋ぎましょうって言う瞬間。
本当に恥ずかしかった。恥ずかしすぎて死ぬかと思った。
……あとは、彼方か…
青一色の他の団の席に行くのも気が引けるし、彼方のところに行くのも気が引ける。
「廣川、俺の手千切れる。」
「あっ、すみません。」
「いや、大丈夫だけど…青団なら衿夜がいる。あいつに会いに行くと思えばいい。」
「…それもちょっと怖いです。」
思い切り握ってたらしい新垣先輩の手を見ると、確かに赤くなってる。……本当、ごめんなさい。
青団に向かってることに気づいたらしい先輩に気を使われながら彼方を探す。
どこいんだよ……!!??
立ってる生徒の中にはいない。となると、奥で座ってるのか?
あーー!なんでこんなときに目立たないんだよ、彼方は!!
このまま、ここで止まってるわけにはいかないしな……
覚悟を決めろ、俺。
「っ、彼方!!」
「……梁瀬?」
「ちょっと、俺と来てほしいんだけど…!!」
青団の人に好奇の目で見られてるのが分かる。
……恥ずかしい!!
右手は新垣先輩の手をこれってないくらい握りしめてると思う。……ごめんなさい。先輩…!!
でも遠慮してる暇なんてなくて、握れるだけ握りしめた。
彼方があまりにも来ないから空いてる左手を差し出す。
「早く来いよっ!!」
半分怒り口調で呼ぶと、奥から彼方がきて、俺の手を掴んだ。
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