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プロローグ
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佐々木真(ササキマコト)18歳。
当時、高校三年。
大学の志望校も就職も決まっておらず、完全に悩める受験生となっていた。
進学か就職か。そこまで将来に願望もない真には、漠然と時が過ぎていくのに焦りすら感じなかった。
だが、進路は進路だ。
何もしないわけにはいかない。
だけど、決まらない。
公園のベンチで、真は一人、ため息をこぼす。
確かにあの時、真は耳が良かったのかもしれない。
ガシャンとぶつかる音。
後に聞こえてくるもう一つの音は、車輪が回る音だった。
常人なら車輪が回る音など、目の前の映像を虹彩に写しこんで、状況と共に聞こえてくる微細な音だ。
真は小さな公園のベンチに座っている。
これで聞こえたのだから、真はこの時点で、運命的な出会いをしているということに、気付かない。
気になって真は、公園を出る。
そして、四方に別れた道を見渡せば、割りと近くの曲がり角にぶつけたのだろう、右に出てすぐの角で倒れている少年がいる。
はっきりとは断定できないが、あの体の小ささからして、恐らく小学生だ。
まだ、転けて時間は経ってない。
しかし、急いで助けてあげないと泣いてしまう。
そう思い、真は少年の所へ駆け寄る。
その少年は学ランを着ていた。
(おいおい、随分と可愛い中学生じゃないか)
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