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それから中学生の出会いを機に、真の進路が決まった。
「探偵」だ。
運よく内申点は申し分ない、それに成績もそこそこ。
そして、探偵をするのだから、自身を守らなければならないシーンが出てくるはず。
だが、真は護身術として、武術を一通り経験し、有段者でもあった。
ここで、有段が活かされるときが来たのだ。
知り合いのコネで、小さな探偵会社に就職。
すると、インスピレーションが湧いた。
ここに来た目的と、理由。
全てに見通しがついた。
それは、もう一度、あの中学生を見つけること。
そして、出来ることなら、この手で守ってあげたい。
溢れんばかりの母性本能に擽られたのは、果たして本当に母性的な一面しかなかったのだろうか。
助けたあの時、少しの煩悩はあったのではないか。
中学生と別れて時間が経ち、記憶の中で棚の奥に入れられようとしていたが、この疑念たちが棚から落ちてしまった。
だから今蘇るこの感情は一体、何なのかも徹底的に調べるつもりだ。
中学生の次は高校生へと進学していく。
身長は伸びているだろうか。
声変わりはしているだろうか。
もしかすると、なにかも変わってしまったのだろうか。
小さいままの中学生のフィルムを見返し、真は見つけ出すことに不安を感じる。
しかし、自分の気持ちを明らかにするため。
意を決して、2年目の会社内へ足を踏み入れた。
あれから、一度もあの時の中学生に会うことはなかった。
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