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「お風呂ありがとうございました」
「いえいえ、あ、そっか…着替えないよね、ちょっと待ってね」
「すいません…ほんと、ありがとうございます」
タオルを腰巻きにして、部屋に入ってきた前野くんを見て思った。
あれから、あのまま家に来て
そういえば着替えは持ってきてるはずない、と。
下着もいくつかあるし、ルームウェア程度の服も何着かある。
それよりも、あの肉体美…
なんて素敵な腹筋に上腕二頭筋。
筋肉フェチってわけじゃないけど、多分好きな人の体って誰しも興味あると思う。
もちろん、変な意味じゃなくて。
「はい、どうぞ」
「星羅さんありがとうございます…洗ってきちんとお返ししますね」
「え、そんなそんな…大丈夫だよ、返さなくても平気だよ」
「そうですか…じゃあ、遠慮なく」
前野くんは着替えて、
自分の洗濯物をたたみ始めた。
結構綺麗にたたむんだなぁ、
家庭的なのかもしれない、作業も繊細だし。
「あ、前野くん…布団敷いておくね」
「2つもあるんですか?」
「うん、弟がよく遊びに来るから…それで2つ布団があるんだ」
クローゼットから布団二枚重ねを出すと、前野くんが一つを持ってくれて、
二人で一緒に敷いた。
お互いに「おやすみ」と言ったけれど、それでもまだ起きていた。
「星羅さん…起きてるんですか?」
「え…そ、そういう前野くんこそ起きてるじゃないか」
「何だか眠れなくて…」
「あの…前野くんって、彼女とかいる…の?」
何か話題を、と思い
振ってみるが実に無難な質問になってしまった。
トーク力が切実に欲しくなってきた瞬間。
「え、いませんよ!?俺、いるようにみえます?」
驚いたように否定してきた。
そうか、彼女はいないのか。
何故か安堵のため息をつき、不覚にもちょっと良かったなんて思ってしまう。
「いや、顔もそうだけど気遣いとか…女の人が好きそうだなーって」
「そうですか…あ、ありがとうございます…で、そんな星羅さんには彼女いるんですか?」
少し困ったように礼をいって、
同じ話題を俺にも振ってきた。
「いないよ、でも…気になる人なら、いる…かな」
「え…そうなんですか?その人と結ばれると、いいですね…星羅さん美形だし、きっと相手もすぐ魅力に気付くでしょうね」
そう言った前野くん。
褒めちぎられて半ば顔がほてる。
けど、暗がりの中では見えなくて良かった。
それにしても、その相手が自分だなんて思いもしないんだろうな。
そんなこと言うくらいなら、はやく気付いて…
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