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恍惚の微笑みを浮かべて、前野くんが近づいてくる。
その距離はわずか数センチ。
「星羅さん…っ、」
「…っ!?」
名前を呼ばれて、ふとすると、
唇に温かい感触がした。
それがすぐに前野くんだと気付くのに時間はかからなかった。
(キス、された…)
「もう、限界です。このままこうしていてもいいですか?」
抱き寄せられて、そう呟かれた。
こっちだって、心臓が持ちそうにない。
「ま、待って…その…」
「…怖いですか?でも、そう仕向けたの…星羅さんじゃないですか」
クスリと笑う前野くん。
いつになく黒い微笑みでこちらを見ていた。
「ねぇ、星羅さん…本名、いい加減教えてくださいよ?」
「えぇ…うーん、つ、月野流星、だよ…」
「流星さん…星羅さんのイメージを壊さない名前ですねって、こっちが本名でしたね」
いつもと違う前野くんに焦る。
こんなに根掘り葉掘り喋り、よく笑ってる姿を見るのは初めてだから、
とてつもなく焦る。
「流星さん、もう一度キスしていいですか?」
「えっ!?そ、それは…」
「何で?流星さん、このチョコくれたってことはそういうことだって、受け止めていいんじゃないですか?」
「そうなんだけど…それは、単なる興味で…本当だって知らなかったから…」
両想いになれるチョコ。
確かにそうなのかもしれない、
だけど、そんなの迷信か嘘に決まってると思っていたから。
「じゃあ、一つ聞きたいんですけど…流星さんの本当の気持ち、教えてください。俺のこと好きなんですか?」
「…す、好き」
「良かった…じゃあ、何の問題もないですね。俺も、好きです…メンバーに入った時からずっと…」
前野くんはその後も、
俺に何度も好きだと連呼してきた。
恥ずかしいから止めてと言っても、意地悪なことに、止めてはくれなかったけど。
このチョコの本当の意味は、
両片思いを繋げる為にあるのかな、なんて思ったりもして。
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